
練習状況
日時 : 2021年09月21日(木)
気温 : 27度 (雨)
人数 : 3名
ワークアウト
・10min Interval Training
・2min Interval Training
内容
“乙女心と秋の空”と揶揄されるように、天候が不安定な日々が続きます。先週に引き続き雨の中でのセッションとなりましたが、本日も集中しながらワークアウトに取り組みます。
当スクールでは選手にパワーメータを貸し出ししながらトレーニングを実施させていただいております。というのも、運動強度を数値化(視覚化)できることで、効率的かつ効果的にフィットネスを成長させることができるからです。
時々、パワーという数値をどのように活かしてワークアウトを遂行していけばいいのかと質問されることがあります。これはジュニア選手だけに限らず、社会人サイクリストの方からも質問される内容です。
そこで、本日は当スクールがどのようにワークアウトを行っているかの1部を例にして説明したいと思います。
●ワークアウトの遂行方法
まず、ワークアウトを実施する場合は、先週のワークアウトがうまく遂行できていたかたどうかを確認し、今週実施するワークアウトの強度を考える必要があります。
その際、パワーをトレーニングの指標にしている場合、自身が実施している運動強度を下のグラフのように数値することができるため、予めチェックしておきましょう。※今回のグラフはTraining Peaks を使用したお手製グラフ
こちらの選手は、先週のワークアウトにて、指定強度を達成することができました。引き続き先週と同じ強度でワークアウトを行うこともできますが、フィットネスの成長を促すためには漸進性過負荷の原則に基づいて強度を上げる必要があるため、今週は強度をあげることにチャレンジしてみます。
【漸進性過負荷の原則とは?】
簡単に説明すると、フィットネスの成長を効率的かつ効果的に促すために意識すべきトレーニングのルールの一つで、今耐えられる負荷に少しだけ負荷を上乗せするというものです。
その際、フィットネスの成長を促すための過負荷としてどれくらい強度を上げるのかを効果的に提示できるのがパワーだと考えております。
今回のワークアウトの場合は、指定強度の1-2%程度を過負荷が最適として考えられるため、その負荷を上乗せして実施してもらいました。※運動強度の領域によるが、LT-Vo2max領域の過負荷として経験上これくらい。
実際に実施したワークアウトが以下の通りとなります。
比較したグラフがこちらになります。
先週に比べて、平均的に強度を上乗せすることができていたのではないかなと考えられます。
さて、ここまでは既にパワートレーニングを知っている方も、初めて知ったという方もご理解いただけるかと思いますが、問題はその負荷をどのようにあげるのかということです。
例えば、今回の場合は指導対象がジュニア選手のロードレースであることに合わせ、ギア比制限のある中でのレースとなるため、ケイデンスのコントロールを行うことで強度を高めています。
【豆知識】
これがジュニア選手でなく、一般サイクリストでヒルクライムを想定したレースの場合は、ケイデンスを一定に指定した上でギア比やローラー上の負荷で強度を高める方が効果的であるなど、目的目標や自身の走るカテゴリーによってワークアウトの強度をこなすためのアプローチが変わります。
漸進性過負荷だけでなく、その競技の特異性を考えた上でのアプローチも組み込むことで、選手たちは成長していきます。ジュニア選手だけで無く、一般サイクリストの方も、是非参考にしてみてくださいね。
【ジュニア選手の注意事項】
U17以下の選手がパワートレーニングを行う場合の強度調整は実は難しい。というのも、骨格的成長に伴う出力の増加が考えられるからだ。例えば、1ヶ月後に身長が1cm・体重が1kg増加しているということが普通にあるため、強度の漸進性過負荷の基準がトレーニングによるものか身体的変化に伴うものかわかりにくいことがある。その判断基準は複雑なものであるため、一般的にはわかりにくいため、個人的には”主観的運動強度”の感覚をどれだけ磨きあげるか、がこの年代には重要であると考えている。
と、上記のようなワークアウトを終えた場合は、補強エクササイズを実施します。
実は先週、プランクやプッシュアップの負荷の加え方を説明したついでに、“なぜ、秒数ではなく重量を加えた刺激を優先しているのでしょうか?”という質問を投げかけ、その答えは来週と書いていたと思います。
描こうと思ったのですが、パワートレーニングの説明をしていたら文字数が多くなったので、また今度書かせていただこうと思います。
※ 楽しみにしていた方、すみません。
本日もありがとうございました。
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2021年9月25日(土) 8時00分から開始
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