興味のある方は、ご覧ください。
レポート
● 目標
4時間総合優勝
(最低でも男女混合4時間優勝)
● 結果
男女混合4時間優勝
● コース
● 作戦
ピット交代時に集団との差が開きすぎないことを考えて、シケインにてピット交代する。
走行順は 森﨑 → 伊藤 → 辻 → 望月 → 伊藤 → 辻 → 森﨑 という順番。
✔︎ 走行順の意図
① 森﨑選手が集団が沈静化するまで走行し続ける (約1時間目安)
② 集団が沈静化したところで、伊藤(私)・辻選手・望月選手が周回する。
③ 勝負所となる最後の40分ごろに森﨑選手に変わり、ゴールスプリントを託す。
● レース
10月から練習時間を確保することが難しく、週1〜2回の頻度で1時間程度軽く漕ぐくらいしかできなかったため、一緒に参加する3名には申し訳ないと思うくらい体力面での心配だった。
しかし、レース開始3日前・2日前の2回の練習で刺激を入れた時に思った以上にフィットネスが低下していないと感じたので、集団走行で足を使わずにうまく走行できれば走れると感じていた。
そのため、ウォームアップでコースを2周走行する際に、以下のことを確認することに。
✔︎ ウォームアップ中の確認事項
① ピット交代時に先頭集団に追いつくまでの速度感(ギア比など)
② コースにおけるスピードの上下感と変速タイミング
③ 第1コーナーからシケインまでの時間 + 運動強度
④ シケイン後・スプーンカーブ後の踏む感覚(ギア比など)
レースは9時03分に開始。
森﨑選手のスタートで始まる最初の1時間は、予想通りペースが早く、集団が6時間に追いつくかのようなラップタイムを刻んでいた。しかし、そんなハイペースも長く続くことはなく、集団も一時的に沈静化した頃を見計らって、1回目の交代をおこなう。
1回目の走行は、現状の体力と後のことを考えて3周回することに。
先頭集団は最初の1時間で疲労している影響か、少々ふらついた選手の姿を見かけたので、その選手たちの周りに近づかないようしつつも、試走で確認していた速度の上下を活かして楽して走れるように、集団の真ん中より少々前を走行する。危なげなく3周回を終えて、辻選手に計測チップをパスする。
辻選手が走行している時間から、徐々にレース会場内のアナウンスで落車に関する情報が飛んでくるので、もう一度自分が走るタイミングで落車しないように気をつけなくては思いながら次の走行の準備をしていた。
辻選手から計測タグを受け取った望月選手が、2周回の走行を終えて、2回目の走行へ。
偶然にも集団内に教え子が1名居たため、なるべくお互い楽しながら走行するための方法を考えながら走っていたが、ヘアピンカーブを超えてから集団の動きに違和感を感じてたので前に上がっておきたいなと考えていた矢先、集団の前方で落車が発生し、その影響に巻き込まれる形に(この内容は後記します)。
落車のダメージは大きく、これは申し訳ないが総合優勝は無理だろうと思いながらも、男女混合の優勝はしたいと思い、無理に体を起こして外れていたチェーンをはめ、歪んだブラケットを強く握りしめながらホームストレートを駆け上がった。
ピットで待つ辻選手に計測チップを渡し、後はチームメイトに全てを委ねることに。
その後、男女混合2位にいたチームが猛追してくるが、最終走者の森﨑選手が全てを出しきり逃げ切って、男女混合の優勝を達成した。
総合優勝できなかったことは残念だけど、チーム一丸となって表彰台に立てたことはとても嬉しかった。
応援いただきました皆様、本レースを開催するにあたってご尽力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
● 使用機材
フレーム : TREK MADONE SLR9
コンポーネント : SRAM RED AXS
ホイール : BONTRAGER AEOLUS
タイヤ : コンチネンタル GP5000S ( F5.5 / R5.8 )
ヘルメット : BONTRAGER XXX WaveCel LTD
ウエア : SUNVOLT
シューズ : SHIMANO RC9
● チームサポート
株式会社名古屋銀行
株式会社サギサカ
株式会社小澤製作所 (いずみパーキング)
東山遊園株式会社 (星が丘テラス・星が丘自動車学校)
株式会社青柳総本家 (青柳ういろう)
株式会社Zyteco Sports (Boost series)
落車をした話
さて、本レースで発生した落車について少し振り返りたいと思います。
私が落車をしたのは、S字コーナーを抜けた下り坂の第2コーナーを曲がり始める前あたりでした。
落車するまでの流れとしては、以下のような流れだったと記憶しています。
① 集団前方の進行方向左側に位置する選手 (私の30mくらい前だと思います) が、なんらかの形で低速レーンとの境界線として使用されていた緑色のコーンに接触し、右側に転倒。
※ 見通しのいい直線でなぜコーンに接触したのかという理由は、未だに不明。
② 転倒した選手を避けるために、集団は左右に広がるような状態になり、前方でも数名の落車が発生した。
③ 数名の落車を避けるために、コース上から逃げるように進行方向右側の芝生エリアに侵入して避けたが、同じように芝生エリアに侵入した選手がスリップして転倒したため、その選手に突っ込んで落車した。
✔︎ 落車時の動き
宙を舞って前転した結果、背面(腰と背中)から地面に叩きつけられるような状態でこけた。
“受け身を取らない状態からの速度の乗った背負い投げ“をされた感じ。
✔︎落車直後の症状
① 意識が朦朧としてふらついていた
② 肺か横隔膜にエラーが発生したのか、呼吸困難だった
③ 左腰に激痛が走った
落車前の判断
②の時点で、頭の中には以下の3つの選択肢が浮かびました。
A. 進行方向左に逃げる
B. 急ブレーキで停車する
C. 進行方向右に逃げる
結果、③にも記載されているようにCという選択肢を取ったのですが、それには以下の考えがあったためです。
A. の選択肢について
偶然にも同じ集団を走行していたスクール生徒(中学3年生)が左後ろで走行し、落車発生時に彼の呼びかけが聞こえるほど近い場所にいたため、もしものため(巻き込まないため)にも左に逃げることはやめようと考えたのでパス。
B. の選択肢について
後ろから追突される可能性があることに合わせて、減速して集団から置いていかれることを考えると可能な限り止まりたくないと考えたのでパス。
C. の選択肢について
28c のタイヤを使用しつつ空気圧も比較的少なめにセットしていたこともあり、速度は落ちるもののうまく回避した集団後方の選手と合流できるのではないかと考えたので、決行。
落車後の思考
落車後、全く身動き取ることができませんでした。
脳震盪の気持ち悪さだけでなく、骨盤骨折または大腿骨(骨頭)骨折の可能性もあったため、正直リスタートを切るのはやめた方がいいという運動指導者としての判断がありました。
しかし、落車発生時は男女混合4時間カテゴリー内で2位に5分差をつけていたため、最低目標の男女混合4時間優勝は達成するためには私自身が無理してでも次に繋げないといけなければというプレイヤーとしての判断もありました。
落車後、アドレナリンが出ているため正常は判断ができかった自分は、プレイヤーとしての気持ちを優先した判断を取りました。命に別状はなかったため結果オーライという感じでしたが、最悪の事態を考えると手放しで喜べる状態でなかったことは事実です。
※ 表彰式でも体が痛く階段を登ることが大変で、なおかつ痛いところを自然と抑えていました。
他者の落車原因
結局、①の時点で落車された方がなぜ緑色のコーンに突っ込んだのかは謎のままです。
また、突っ込んだ方が総合優勝争いをしていた方なのか、それとも優勝争い関係なくピット交代に入ろうとしていた方なのか、はたまた追い抜かれる際に道を譲ろうと左に抜けた方なのかもわかりません。
合わせて、疲労から集中力に欠けてしまったからなのか、それとも別の誰かの横の動きで弾かれたからなのか、何一つわかりません。
それでも、その落車が原因で救急車に運ばれた人がいたのは確かです。
スズカのコースは下りで時速60km前後に到達することがあります。1秒で16.6mも進むわけですが、その瞬間の咄嗟の動きで発生する影響はとても大きいです。可能な限り、以下の3点を守って欲しいなと思います。
その1. 下り坂は自分のラインを守って走ること (横の動きを無駄にしない)。
その2. 無理に追い越しをしない。
その3. 前の人に詰めすぎず、安全マージンをとって走る。
落車後の検査
精密検査をするために月曜日に専門医を訪ねて診察すると、骨盤にヒビが入っていることと打撲による激しい筋挫傷が発生しており、左の股関節周りがパンパンに腫れていました。
日頃の筋トレのおかげでこの程度で済んだか…とかポジティブに思っていますが、それでも打ちどころが悪ければどうなっていたかわかりません。
今はトレーニングなど運動は避けて、日常生活でもなるべく使用しないようにカラダを休めています。皆さんも気をつけてくださいね。
最後に
優勝はしましたが、少々後味の悪い結果となってしまいました。それでも嬉しさが勝りますが、やはり落車がないに越したことはありません。
皆さんもレースに参加する際は、落車しない様に、または落車させない様に何をすべきか、改めて気をつけてくださいね。この記事を書いたことで、何かにつながることを願います。
また、今回はチームで動いていたため、本当に助かりました。もしこれが単独だった場合、どうしようもなかったと思います。レースに参加される場合は、なるべく誰かと一緒に参加すること(帯同していただくこと)をオススメします。
現地で介護してくださった皆様、ありがとうございました。
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