中高生を対象とした自転車競技者育成プログラム”ORCA CYCLING SCHOOL”が、本日より本格的に開催されました。
当スクールは”世界を目指す選手を育成する”というよりは、まずは”インターハイ、全日本選手権、国体の出場および好成績を目指す”というように現実的に達成可能そうな目標に向かって挑む、というのがテーマになり、それに向けて頑張りたいという選手を集めたスクールになります。
前書き
正式に第1回目の練習会となりますが、まずはレポートを書く前に… 当活動をサポートしていただいているスポンサーおよびサプライヤーの皆様にはとても感謝をしています。この場をお借りして、改めて感謝の気持ちを述べさせていただきます。
・株式会社サギサカ様
・株式会社小澤製作所様
・東山遊園株式会社様
本当にありがとうございます。
また、昨年末に当スクールのプログラムを構築している段階で、ジュニア育成に関する練習の参考として、名門・奈良県立榛生昇陽高等学校自転車競技部の練習を見学させていただき、そこで多くのことを学ばせていただきました。紹介して下さった吉田隼人選手、自転車競技部の皆様、本当にありがとうございました。
練習レポート
8時から練習を開始したいので、7時45分に集合と事前に伝えていました。”8時スタート”と伝えると、7時58分に到着されることも考えられ、事前に”伝えたいことを伝えきれない”と考えたためです。
本日のルートは”雨沢〜狛犬 〜戸越”と名古屋市に在住のサイクリストには御用達といえる場所ですが、そこで【何を意識すればいいのか】を伝えました。
また、今回の練習会は、参加者の安全および練習に集中できるようにするために、”サポートカー”を導入。協力者は宮田君。彼は現在大学3年生で、当チームのサポート選手である森崎選手と同級生。高校卒業と同時に自転車競技は引退したものの、こうして地域貢献活動に興味を持って、サポートしてくれるのは本当にありがたく思いました。
”車道はサイクリストのものではなくみんなのもの”ということで、ご迷惑にならないように班分けしつつ、サポートカーで行き交う車を知らせつつ、安全第一で行いました。
雨沢峠の練習会
W-UP的なニュアンスも込めて、雨沢峠を15秒ごとに出発させてTTをしてもらいました。個人の実力を知りたいという目的もあるのですが、それだけではなく
- 参加選手の登坂能力を参加選手たちが把握。
- 既に知っている参加選手がいる場合は、その選手のコンディションを把握すること※もちろん、本日の自分のコンディションも把握。
- 上記の2点を元に、今日はどのように練習をすればいいのかをプランニングする。
という3点を明確にさせるためです。
TT後は、各自の走力バランスを考えて2つにグループを分けながら狛犬に向かいます。それまでの道中、停車しながら確認し、追いかけ、各選手の走行をチェックしつつ、安全面の指導を行いました。 ※道中並列走行は一切せずに、縦列走行を徹底しております。写真で並列になっているように見えるシーンはローテーションになります。
こまいぬ
こまいぬ前からトンネルまでのアップダウンは、少しだけレース的な意識を持って走ってもらいました。
- 事前にゴールを設定し、どれくらいの時間高強度になるのかを明確に伝えておく。
- 雨沢TTでの各自の走りを各選手が確認して、どうやって走ればいいのかをイメージする。
- 現状、自分が動くことができる最善策を考え、それに向かってチャレンジする。
それらを考え、スタート。
結果、実力差が出ましたが、練習後は即フィードバック。 このフィードバックをする時も
- 必ず参加者の前で、何を考えてどういう走行をしたのかを発表してもらう
- 疑問に思ったことは共有する
という点を徹底しながら実施しました。
理由は”自分の感じた疑問や遭遇したシチュエーションは、必ずどこかで体感することがある”と考えられるためでもあり、自分の経験値を参加者と共有することでより頭を使うシチュエーションが増え”自分の短所や長所を理解し、日々のトレーニングで何を何に取り組めばいいのかを理解することができる”からです。
ひとりひとり、緊張感を持ちながら真剣に発言し、考え、悩んでいたのが、とても印象的でした。
戸越
時刻は10時を過ぎ、疲労だけでなく暑さにより体力が削られる中で、こまいぬでフィードバックした課題を、本日最後の練習場所とした戸越峠の走行でチャレンジしてもらいました。
ただし、この時間からは通行車両も多くなるため、通行車両の妨げにならないように指示しつつ、サポートカーも停車エリア(追い越ししてもらうための停車エリア)で随時停車しながら、安全管理をして走行していました。
ここまでで比較的強度が高く、少々力量さを感じることもありましたが、各自が考えながら取り組んでいる姿を垣間見ることができ、非常に嬉しく思いました。
雲興寺で合流&休憩をしている最中に、12時より代表の伊藤が仕事のために離脱となり、塩澤選手と森崎選手、サポートカーの宮田氏に選手たちを託し、無事終了した報告を受け、本日の練習会は終了となりました。
総括
同年代のサイクリストが集まり、尚且つ指導されながら走る環境は、国内でもあまり見当たらないと考えられます。だからこそ、こうした環境で練習できていることに感謝しつつ、より貪欲に挑んで欲しいかなと考えております。
わからないことがあれば聞く。ただ聞くのではなく自分なりの考えを述べて聞く。また、それを次回の練習会までの間で実践する。
一人ひとり可能性を秘めているとは思いますが、可能性を開花させることができる時間は有限。その中で自分が何をすべきか、”常に考えながら取り組んで欲しい”と思います。
指導者コメント
塩澤選手より 今日のトレーニングは個々の走力をチェック。年齢や練習量の違いからの走力に差はあるものの、参加されたジュニアの選手は良い意味で緊張感を持って走ることができました。次回のトレーニングでは「目的」と「強い気持ち」の2点を意識していただきたいたいです。目的を持ってトレーニングすることで、「練習後に振り返りができる→次回の改善に繋がる」ため常に意識していただき、練習に励んで欲しいです。自転車はメンタルスポーツです。練習の時は勿論、日々の生活においても「負けない、諦めない」という強い気持ちは忘れずに走っていただきたいです。
最後になりますが、最高の環境で練習できていることへの「感謝の気持ち」で次回も参加していただきたいたいです。