WKO5の使い方 – FRCとdFRC –

Functional Reserve Capacity Dynamic Functional Reserve Capacity  について説明いたします。  

目次

FRC とは

Functional Reserve Capacity ( 以下 “FRC” ) とは、FTPを超える強度で動き続ける際に、疲労せずに動き続けることができるエネルギー量 (kjまたはkj/kg)を表わす数値になります。 ※ WKO5 のトップ画面(右上)に表記されます。 スクリーンショット 2021-03-18 10.43.34 こちらの数値は、男性と女性で異なりますが、以下のように区分されます。
✔︎ 男性の場合 高い 22.9kj 以上 普通 22.9kj – 13.5kj 低い 13.5kj 以下 ※ 基本的な範囲 “9.0 – 35.1 kj” まで
✔︎ 女性の場合 高い 17.2kj 以上 普通 17.2kj – 9.2kj 低い 9.2kj以下 ※ 範囲は “6.2 – 24.2kj” まで
  FTPを超える強度で動き続ける場合、すなわち血中乳酸値4.0mmol/ℓに値する強度を超える強度で動き続ける場合は、代謝機能として有酸素性機構(aerobic)だけでなく無酸素性機構(Anaerobic)であるホスファゲン機構および解糖系が動員され始めますが、WKO5のPower Duration Curve (PDC)では、各時間帯強度の代謝機能を以下のように表しています※ 個人差あり   スクリーンショット 2021-03-18 16.17.37
FRCの代謝回路について Dynamic Functional Reserve Capacity (dFRC) in WKO5 より(公式) Anaerobic Capacity can be defined as the maximal work performed during maximum-intensity, short-term (typically 30-90 seconds) physical effort, and it reflects the energy output capacity of anaerobic glycolysis.
  個人的な指導経験では、この中でも”short-term (typically 30-90 seconds) physical effort (解糖系)” を刺激すること消費される血中グルコースおよび筋グリコーゲンの消費量の指標として見ることが重要かなと考えているため、解糖系を刺激するワークアウト実施時にはFRCの変動(dFRC)をよく確認し、最適なワークアウトが実施できているを確認します。
【FRCが高いことにおけるメリット】 ✔︎ ヒルクライムなどの登坂時、変化する急勾配に合わせてFTPを超える強度で走行した際も疲労が溜まりにくい。 ✔︎ クリテリウムなどのコーナーの立ち上がりで掛かる高強度インターバルでの疲労が溜まりにくく、反復能力が高い。 ✔︎ チームタイムトライアルなどの先頭走行を長く引き続けられるため、チームメイトの足を回復させることができる。

dFRCとは

Dynamic Functional Reserve Capacity (以下 “dFRC” )とは、FRCの残量を表した数値になります。WKO5を用いてその変動を説明したいと思います。 スクリーンショット 2021-03-16 21.55.11 dFRCはFTPを超えるパワーを出すことで下降(疲労)し、FTPを超えないパワーで上昇(回復)していきます。  
dFRCが示しているのは、血中グルコースや筋グリコーゲンの使用料および再合成の指標としてだけでなく、乳酸処理を行う際に発生する筋中の水素イオン濃度がもたらす筋のphも関係していそう。
  このdFRCの下降は、以下のような数式で求めることができます。  
dFRCの変動(下降)の算出方法 消費エネルギー (ジュール) =  A : W(出力) × B : Second (秒) A : mFTPを超えた出力 B : mFTPを超えた強度での時間時間 ※ 上昇の数式は不明
  イメージしやすいように、上記の数式と使用した計算と、実際に実施した際のパワーデータ(dFRCの変動)を載せておきます。  
【選手プロフィール】 FTP 330w : FRC 25.0kj の選手の場合 400w で走行した時には、疲労せずに走り切ることができるのは約何秒か。 ※ 実際のプロフィールはFRCは25.8kjだが、計算しやすいように25.0kj で求めます。【計算式】 25,000 j ÷ ( 運動強度 400w – FTP 330w ) = 360秒 答え : 360秒 ( 6分間 )
スクリーンショット 2021-03-18 16.12.01  
【dFRCがわかることにおけるメリット】 ✔︎ ワークアウトが適切に行えていたか理解できる 指定出力および休息時間が適切だったの判断ができる。 ✔︎ TTTの最適化ができる チーム内でのFRCおよびFTPを理解することで、各能力に合わせた最適なペーシングを定量できる。 ✔︎ ヒルクライムの戦略 勾配変化に合わせてどこまで強度をあげていいのか・どれくらい持続させることができるのかを理解することができる。※当方はペーシング指導時にBest Bike Sprit と掛け合わせて使用しています。

本記事のまとめ

FRC / dFRC を理解することで、効率的なインターバルを行うことができることに合わせて、レースやチームタイムトライアルなどを戦略を考えることができます。活用して効率的かつ効果的なトレーニングを行いましょう。   最後までお読みいただき、ありがとうございました。  ]]>

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この記事を書いた人

愛知県名古屋市のロードバイクスクール。

小学生から大人まで幅広く指導しております。

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