【M・S様】ヒルクライム時の腰痛を改善するフィッティング

ロードバイクのフィッティングを実施したので、ここに記録します。

実施日 : 2024年9月3日(火曜)
氏名 : M・S 様 ( 男性・20代 )
専門 : サイクリング + ヒルクライム
受講目的 : 登坂時の腰痛改善・左股関節の痛み/違和感の(詰まり感)改善

⚫︎ 経緯
サイクリング時に左側の股関節の痛み(鼠蹊部前面)が気になり始めると長時間のサイクリングが実施できないことから、改善したいという経緯で、フィッティングをご依頼いただいた。また、ヒルクライムの大会にも少しずつ参加し始めたことで登坂の練習もされることが増えてきたようで、登坂走行時の右の腰が痛くなるという感覚も気になり始め、それも改善したいとのこと。

⚫︎ 原因と対策

走行時、左足が上死点に達する際に骨盤が側屈する動きが大きかった。
ポジションチェックおよびフィジカルアセスメントを照らし合わせると、以下の影響があるのではないかと考えられた。

① ハムストリングが弱い
② 足首 (下腿三頭筋 : ヒラメ筋)が硬い
③ サドルの高さが低い
④ サドルの位置が前すぎる
⑤ ブラケット位置が低い (前傾姿勢がキツイ)

①②は柔軟性(モビリティ)および臀部の筋力を向上させるための身体的なアプローチが必要だと考えたので、自体重を活用したエクササイズ(コーディネーション)を指導する方向で実施。これが⑤の前傾姿勢時の腰部への負担改善へとつながるケースもある。

また、②の足関節の硬さは、サドルの高さや前後に影響するだけでなく、骨盤の前後傾および側屈の動きを出してしまう原因だと考えられたので、ある程度の柔軟性を出したところで足首の影響が骨盤に出ないためのクリート位置の調整およびサドルの調整を実施。

合わせて、その骨盤の安定感を出しつつハムストリングの硬さに伴う代償動作を改善するために、ハンドルの位置(ブラケット)を起こして調整するしたことで、骨盤の大きな側屈および過度な後傾を抑えることができ、スムーズに足を回せるようになった。

⚫︎ 感想
基本的な柔軟性はあったように思うが、その柔軟性に見合うだけの筋力が不足していたように感じる。それにより、重たいギア(高トルク)をかける場面で要となる骨盤が安定できていないように感じました。今回は、使うべき筋肉が現状の範囲内で正しく使うことができるためのポジションへとリードしたフィッティングとなりましたが、引き続きお伝えしたコーディネーショントレーニングを継続的に行い、より動かしやすい体も手に入れることを意識しながら乗ってくださいね。

本フィッティングがキッカケで、サイクルライフをより楽しんでいただけることを願っております。受講いただき、ありがとうございました。

フィッティングの依頼は >>こちら

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この記事を書いた人

愛知県名古屋市のロードバイクスクール。

小学生から大人まで幅広く指導しております。

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