ロードバイクのフィッティングを実施したので、ここに記録します。
実施日 : 2024年9月20日(金)
氏名 : T・A 様 ( 男性・50代 )
専門 : サイクリング
受講目的 : ペダリングの左右差改善・体の捩れ改善
⚫︎ 経緯
4年前まで熱心にヒルクライムに打ち込んでいたが、現在はイベント等に参加せずにサイクリングを中心に楽しまれている方からのご依頼。走行時のペダリングにて左右差を感じつつ、体が捻れている感じがあるとのこと。走行中に特に痛みがあるわけではないが、この違和感が続き、快適に乗ることができないため改善したいということで、フィッティングを依頼していただいた。
⚫︎ 原因と対策
乗車姿勢(ライディングフォーム)を確認すると大きな問題はなさそうだが、少しだけハンドルが遠く感じた。
ハンドルの遠さに対して上半身の筋力(広背筋・前鋸筋)が不足しており、それが影響して下腹部への負担が高いような感じがした(イメージ : プランク動作に近い)。
合わせて、フィジカルアセスメントを実施するとその予想は合っていた。また、柔軟性には大きな問題はないが、右の股関節に詰まり感があり、原因を探ると右側の腸腰筋・深層外旋六筋(主に梨状筋)が硬いように感じた。(反対の左側は同部位が使用されていない感じがした)。これがペダリングの左右差および体の捩れの原因だと考えられた。
そこで、ポジションを出す前に腸腰筋のストレッチングおよびコーディネーショントレーニングを導入し、股関節の詰まり感を一時的に抑えた(ペダリングの左右差の動機づけ)ところで、ハーバードステップを活用して大臀筋を主働筋としつつも中臀筋・小臀筋の補助的な機能を高めるためのエクササイズを実施した (これが体の捩れを抑えるための動機づけ )。
その後、股関節の詰まり感を消すためにクリートからサドルにかけていじりつつ、ブラケット位置を上げて股関節の屈曲角度を緩めることで現状可能な限り股関節の詰まり間を消す。その感覚がフィットされたようで、スムーズに回せる感覚を得ていただいた。
⚫︎ 感想
過去に下腹部の筋力を痛めてから体の動きがおかしいと感じられていたようだが、その痛みの原因はおそらくフォームに対してトレーニングの強度および運動量が高いことで、下腹部に局所的に掛かる負荷に耐えられなかったのではないかなと考えられました。
今後、コンディション(ストレッチやコーディネーション)を継続しながら乗る中で、ペダリングの左右差や体の捩れが改善されるだけでなく、筋肉に掛かる局所的な刺激の分散から、より運動できる強度や量が増加できるのではないかなと考えられます。また、楽しみながら乗ってくださいね。
本フィッティングがキッカケで、サイクルライフをより楽しんでいただけることを願っております。
遠方にも関わらず受講いただき、ありがとうございました。
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