こんにちは、自転車競技コーチのとおる( @toruito16 )です。
こちらのブログでは、ロードバイクのトレーニングについて解説しています。
トレーニングについて悩んでいます。
TSBの目安 (指標) について教えてください。
以上のような、TSBに対するお悩みについてにお答えします。
✔︎ この記事の内容
・ TSBの意味と計算方法
・ TSBの目安 (目標数値)
当ブログでは、パワートレーニングに Training Peaks を利用することをおすすめしています。
Training Peaks を利用する最大のメリットは、パワーデータを細かく分析することができること、トレーニングの進捗が明確に理解できることです。
TSBを活用する場合は、Training Peaks の PMC ( Performance Management Chart )活用しましょう。
TSB とは
TSBは Training Stress Blance といい、現状の疲労度や調子 ( Form : フォーム ) を数値化した指標です。
こちらのフォームを理解することで、レースに向けたコンディション調整から日常的なトレーニングの疲労管理をおこなうことができます。
TSB はCTLとATLを基準に考えられており、以下のように算出されます。
【TSBの計算式】
TSB = 現在のCTL – 現在のATL
TSB : 3 = 現在のCTL : 75 – 現在のATL : 72
パワートレーニングに関する用語
TSB 以外の単語で気になることがあれば、以下の記事を参考に確認してみましょう。
TSBの目安
フォームはプラスまたはマイナス数値で表されます。
プラスであれば疲労が回復して調子がよい状態、マイナスであれば疲労しており調子がよくない状態と考えられていますが、必ずしもそうというわけではありません。(後記します)
こちらでは、目標に合わせたフォームの目安について説明していきます。
レースに参加する場合
レースに参加する場合は、フォームがプラスである状態で挑むことが理想とされていますが、必ずしもプラスが良いというわけではありません。
時に、プラスでなくても調子が良い場合もありますが、それは個別性だけでなく参加するレースの距離や強度、種類といったさまざまな条件との関係性もあると考えらます。
とはいえ、個別性がある中でもレースの優先度に基づいて、以下のTSBを参考にしながら自身に合った方法を考えましょう。
レースA ( 優先度 – 高 ) : +15 ~ 25 程度
レースB ( 優先度 – 中 ) : -10 ~ 0
レースC ( 優先度 – 低 ) : -10 でもOK
また、上記の様にフォームを調整する場合は、テーパリングを設ける必要があります。
一旦 -10から +10の範囲で推移する期間を設けて、理想とするフォームに 1~2週間をかけて調整すると良いでしょう。
トレーニングの場合
継続的にトレーニングをおこなう場合は、フォームが -30から +10の範囲で推移する様に、TSSを考えてワークアウトに取り組むことが理想とされています。
フォームが -30よりも下回る場合は、免疫力の低下にともなう体調不良やケガにつながり、 +25よりも上回る場合は、体力が低下してしまうと考えられます。とはいえ、フォームが -10から +10の範囲で収まっている状態も、漸進性過負荷が伴っていない可能性があり、パフォーマンスに影響すると考えられます。
適切にフィットネスを高めていく場合は、フォームが -30から -10の間に達する期間を設けるようコントロールできるように、自身のCTLから考えたTSSに基づいてワークアウトを実施するといいでしょう。
トレーニングの参考
CTLを参考にTSSを考えたトレーニングプログラムを、以下の記事にて紹介しております。
数値と感覚が合わない場合
フォームがプラスに傾いているにも関わらず、うまくパフォーマンスが上がらないことがあります。
そうした場合は、以下のことが原因として考えられます。
⚫︎睡眠不足
: 高強度が反復できない、持久力の低下などの影響がある
⚫︎ 栄養不足
: (主に減量時) 栄養が不足し、運動強度を保てない場合がある。
⚫︎ 心理的ストレス
: 集中できずに、運動を継続できないことがある。
パフォーマンスが発揮されるためには、トレーニング以外の因子も大きく関与してきます。
以上のことも踏まえながら、日頃のコンディション管理をおこないましょう。
本記事のまとめ
TSB(フォーム)を活用することで、レースで最大限のパフォーマンスを発揮することができるだけでなく、フィットネスを向上するための漸進性過負荷の目安にすることもできます。
しかし、フォームはあくまでも参考数値であるため、コンディション管理をするためには日頃の睡眠時間・食事・仕事でのストレスといったトレーニング以外の因子とも照らし合わせて考える必要があります。
うまく管理できる様に、それらの因子に合わせて、その日の調子がどうだったのかという自身の感覚も日記(メモ)として記録し、自身のバイオリズムを理解できるヒントを探しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(1) Applying the Numbers Part 3: Training Stress Balance
(2) Training Peaks Help Center – Form(TSB)
● この記事を書いた人
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