こんにちは。
名古屋のロードバイクスクール 「 ORCA CYCLING SCHOOL 」の伊藤です。
こちらの記事では、ロードバイクのトレーニングについて解説していきます。
ペダリングで太ももの前側ばかり使います。
お尻や太もも裏を使えるようにしたいです。
以上のように、ペダリングのお悩みににお答えします。
・ペダリング とは
・ペダリング で使われる筋肉
・ペダリング を効率よく行う方法
ロードバイク、ペダルを漕ぐことで前に進みます。
ロードバイクを前に進ませるために、効率よくペダルを漕ぐための技術をペダリングと言いますが、より効率的に行えるようになるための技術と体づくりについて紹介したいと思います。
ペダリング とは
ペダルの位置を時計に見立て、
0時の位置を上死点
6時の位置を下死点
と言います。
また、
0時から6時までペダルを踏み込む動作を踏み脚
6時から0時までペダルを引き上げる動作を引き脚
と言います。
ペダリングは
自転車の推進力に関わる踏み伸展
踏み脚の動きを邪魔せずに引き脚は屈曲
という機能をうまく組み合わせておこないます。
より速く漕ぐためには、
①どれだけ強くペダルを踏めるか(回せるか)
②うまく反対の足を引き上げれるか(邪魔しないか)
がとても大切になっていきます。
⚫︎ 予備知識
ペダリング時の伸展・屈曲は、共に【 股関節 / 膝関節 / 足関節 】の3つの関節が複合的に作用します。
3つの関節が伸展することをトリプルエクステンション
3つの関節が屈曲することをトリプルフレクション
と言いますが、ペダリングはこの動きを交互に止めどなく行っていきます。
ペダリング で使われる筋肉
ペダリングで使用される下半身の筋肉は、主に以下が多いと考えられます。
⚫︎GM : 大臀筋 (お尻)
⚫︎SM + BM : ハムストリング (太もも裏側)
⚫︎VM + RF + VL : 大腿四頭筋 (太もも前側)
⚫︎GM + GL + SOL : 下腿三頭筋 (ふくらはぎ)
⚫︎ TA : 前脛骨筋 : スネ
⚫︎その他
こちらの図に書かれてはいないものの、以下の筋肉を重要であると考えられます。
: 腸腰筋 ( 脚前側の付け根 )
: 内転筋 ( 太ももの内側 )
しかし実際には、大腿四頭筋やふくらはぎが使われて足がパンパンになるという人が多いのではないでしょうか。
その理由として、以下のことが考えられます。
⚫︎太もも前側やふくらはぎがパンパンになる理由
: 大腿四頭筋ばかり使われるポジションで乗っている
: 大臀筋とハムストリングの筋力や柔軟性が低い
: 適切なペダリング方法がわからない
上記を解決することで快適なサイクリングを楽しむことができますが、それに総じて言えることは大臀筋とハムストリングをうまく使うようにするということです。
ここからは、大臀筋とハムストリングが上手く使えるようになるためのドリル的な筋トレを紹介したいと思います。
ペダリングがスムーズになる筋トレとは
本記事では、いつでもどこでも行えるように、自体重を中心とした筋トレを紹介していきます。
動画としても確認いただけますので、ぜひ確認しながら実施してみましょう。
⚫︎ 実施種目の目的について
: 膝や腰の痛みの予防
: 快適なペダリング動作の習得につながる筋肉の強化
: 適切な姿勢確保するための柔軟性と筋力の強化。
シングルレッグレイズ
目的 : ペダルをスムーズに引き上げる
部位 : 腸腰筋
⚫︎ 動作について
1. 骨盤を立てたまま、膝を胸に引きつける
2. 膝を折り曲げた状態で腿を引き上げます
※ 足首の固さや大腿裏/大臀筋が硬い場合は、平行になる前に丸くなる
⚫︎ 注意点
・腰(骨盤-腰椎)が丸まらないようにすること
・バランスが取りにくい場合は、壁に手を当てて動くこと
グッドモーニング
目的 : 骨盤の安定 + ハムストリングの柔軟性向上
部位 : 大臀筋 / ハムストリング
⚫︎ 動作について
1. 頭の後ろで両手を組み、背筋を一直線に伸ばす
2. 膝を軽く折り曲げて、ハムストリングが伸びきるようにしましょう。
※ 太もも裏側のお尻付近にストレッチを感じることができれば問題ありません。
⚫︎ 注意点
・膝が折れ曲がりすぎないこと
・猫背にならないこと
リバースランジ
目的 : ペダリングで使用される筋群の強化 + 活性化
部位 : 大臀筋 / ハムストリング / 大腿四頭筋 など
⚫︎ 動作について
1. 重心は常に踵重心を意識し、切り返しの際に踵で床を押すイメージ
2. 前足の脛が常に地面と垂直になるように維持する
⚫︎ 注意点
・後ろ足で蹴り上がらないこと
・下降曲面は適切に動けているにもかかわらず、動作の切り返し時に前方に重心を移動させないこと。
スクワット
目的 : ペダリングで使用される筋群の強化 + 活性化
部位 : 大臀筋 / ハムストリング / 大腿四頭筋 など
⚫︎ 動作について
1. 重心は常に踵重心を意識し、切り返しの際に踵で床を押すイメージ
2. 骨盤が丸まる直前で動きを切り返す
※ 足首の固さや大腿裏/大臀筋が硬い場合は、平行になる前に丸くなる
⚫︎ 注意点
・膝の中心部分が、爪先の中指よりも内側に入らないようにすること
・膝が爪先よりも過剰に前側に行かないようにすること
フロアータッチ
目的 : 膝の向き矯正 (膝の痛み予防+踏み込み強化)
部位 : 大臀筋 / 中臀筋 / ハムストリング
⚫︎ 動作について
1. 足を前後に開き、姿勢を一直線にしたままお辞儀する
2. 骨盤は倒すことなく、股関節をねじるようにしながら
※ 前足側のお尻全体(特に横) / 太もも裏側が使えたら(硬くなったら)OK
⚫︎ 注意点
・指が床を触れることを意識しすぎて、腰や背中が丸まらないこと
・股関節を捻る時、膝が内側に向かないこと
ハーバードステップ
目的 : 上死点からの踏み込みの強化
部位 : 大臀筋 / ハムストリング / 大腿四頭筋 など
⚫︎ 動作について
1. 台に乗せたスネを垂直にしたまま乗り上がる
2. 降りる時もスネを垂直にしたまま、お尻を後ろに突き出して降りる
※ 大臀筋 / ハムストリングに負荷を感じながら降りることができればOK
⚫︎ 注意点
・乗り上がる際にスネが前に倒れないようにする
・後ろ足で蹴り上がらないこと
ブルガリアンスクワット
目的 : 上死点からの踏み込みの強化
部位 : 大臀筋 / ハムストリング / 大腿四頭筋 など
⚫︎ 動作について
1. リバースランジと同様に、前脚の脛を垂直にしたまま、お尻を後ろに引く
2. 踵で地面を押すように、真上に上がるイメージ
※ 下降局面で大臀筋、ハムストリングに負荷を感じることができればうまくできています
⚫︎ 注意点
・前脚の膝が、つま先より内側に入らないこと
・後脚を使わないようにすること
※ 後脚のステップ(支え)の位置が高い場合、動きを阻害する場合があるため、低くしましょう。階段1段分の高さから実施してみることをオススメします。
より快適なペダリングを身につけるために
以上、ペダリングを快適に行うための筋トレを紹介してきましたが、スムーズなペダリング動作を習得するためには、それ以外にも意識しないといけないことがあります。
最後に、それらを紹介していきたいと思います。
ポジションも見直す
大人になると身長が大きく変わることはありませんが、筋力や柔軟性が変化すると、最適な力の出し方が変わるためポジションを見直す必要があります。多くの方はサドル位置やクリート位置を意識されるでしょうが、合わせてハンドルやステムについても見直す必要が出てくる場合もあります。気になることがあれば、お近くのバイクフィッティングを受講してみるといいでしょう。
2.ドリルも行うこと
筋力が向上すれば、すぐに速くなるというものではありません。ロードバイクのペダリング動作においてしっかりとパワーが出せるよう、動作に落とし込まないといけません。そのため、SFRや片足ペダリングなどの動きを通して、最適なトルクの入力方向を確認することも重要です。
3. 継続的に筋トレすること
1回の筋トレで全てが変わるわけではありません。継続することで、初めてカラダが変わってきます。特に40代以上になってくると、自転車だけでは筋力が低下してきます。ロードバイクを楽しむためにも、筋力は重要です。中2-3日程度空けながら、週2回程度を目処に実施し、最低でも4週間から8週間程度継続的に実施するようにしましょう。
本記事のまとめ
いかがでしたでしょうか。サイクリストの中にはまだまだ筋トレに馴染みのない方も多くいると思いますが、競技的でなく趣味として健康的にロードバイクを楽しみためには、必ず筋肉が重要になってきます。こちらの記事を参考に、実施してみてください。
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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。