筋トレの疲労はTSSに入れるべき?ロードバイクと筋トレの負荷管理の方法

筋トレの疲労はTSSに入れるべき?ロードバイクと筋トレの負荷管理の方法

こんにちは。

名古屋・岐阜羽島のロードバイクスクール「 ORCA CYCLING SCHOOL 」です。

おるか君

ロードバイクと一緒に筋トレもしています。

筋トレの疲労もTSSにして、Training Peaksに入れたほうがいいですか?

結論から言うと、筋トレもTSSとして入れておくのがおすすめです。ただし、パワーメーターのTSSとは計算の仕組みが違うので、「練習後のきつさ(主観)」をもとにした目安のTSSとして入れ、筋肉痛や翌日の感覚もあわせて記録しましょう。

この記事では、筋トレをTSSに換算する・しないそれぞれの考え方、研究からわかること、具体的な入れ方を解説します。この記事はロードバイクに効果的な筋トレの頻度とタイミングの続きとして読んでみてください。

目次

そもそもTSSとは?

TSS(Training Stress Score)は、練習の強度と時間から負荷を数値にした指標で、FTPで1時間走るとTSS100になるように作られています。計算にはパワー(NP)とFTPを使うので、本来は自転車の練習のための指標です。詳しくはTSSとは?計算方法と1週間の目安で解説しています。

TSSを入れると、CTL(体力)・ATL(疲労)・TSB(調子)にも反映されます。つまり、筋トレをTSSに入れるかどうかで、PMCの見え方や、日々の練習量・コンディション管理の判断が変わってきます。

筋トレをTSSに換算する派・しない派

換算する派換算しない派
考え方筋トレでもエネルギーを使い、疲労するのは確か。数値にして管理したほうがいいTSSはFTPを基準にした自転車の指標。運動の種類が違う筋トレには当てはまらない
メリット練習全体のメリハリや疲れのたまり具合が見える自転車の練習の数値(CTLなど)が純粋に保たれる
デメリット自転車の練習とは違う疲れなのに、同じ数字で扱われる筋トレの疲労が見えず、疲れすぎに気づきにくい

どちらの考え方も理解できます。そもそもこの疑問は、「筋トレの疲れが自転車の練習に悪い影響を与えていないか」を知るのに、TSSが向いているのか、というところから生まれています。

研究からわかること

  • 筋トレは自転車のパフォーマンスにプラス:持久系の練習に重い負荷の筋トレを組み合わせると、ペダリングの効率や自転車のパフォーマンスが上がりやすい(Rønnestad・Mujika, 2014)
  • 筋肉痛は自転車の練習に影響する:筋肉にダメージが出るジャンプ系の練習をした48時間後、15分間のタイムトライアルの平均パワーが下がった(Burt・Twist, 2011)
  • 筋トレの負荷も主観で数値にできる:練習後の「きつさ(0〜10)」×時間で計算するセッションRPEは、筋トレの強度もある程度正しく表せる(Sweet et al., 2004)
  • 主観の記録は敏感:疲れや気分などの主観的な記録は、客観的な数値よりも練習への反応をよく表していた(Saw et al., 2016)

つまり、筋トレは取り入れたほうがいい一方で、筋トレの疲れは自転車の練習に影響するため、何らかの形で記録しておくことが大切です。そして、その記録には主観的なきつさが使えます。

ORCAのおすすめ|筋トレをTSSに入れる方法

ORCAでは、筋トレでもストレスはかかっているので、主観的な数値をTSSとして入れることをおすすめすることが多いです。ただし、CTLやTSBを動かすだけの数字にならないよう、次のように記録しましょう。

筋トレの記録のしかた
  1. きつさから目安のTSSを決める:練習後の「きつさ(0〜10)」×10を、1時間あたりのTSSの目安にする(例:きつさ6で1時間なら約60)
  2. 種目・重さ・回数を残す:どんな筋トレをしたかをコメントに書く
  3. 筋肉痛や疲れを残す:翌日・翌々日の筋肉痛の程度をメモする
  4. 翌日の自転車の感覚を残す:脚の重さ、いつものパワーが出たかを書く

「きつさ×10」はあくまで簡単な目安の一例です。何週間か記録してみて、「筋トレの翌日はTSBの数字以上に脚が重い」などの傾向が見えたら、自分に合うように数字を調整していきましょう。そうすることで、自転車の練習に集中できる筋トレのやり方とタイミングが見えてきます。

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よくある質問

Q. 筋トレの疲労もTSSに入れたほうがいいですか?

入れておくのがおすすめです。ただし、パワーをもとにした自転車のTSSとは仕組みが違うので、練習後のきつさをもとにした目安のTSSとして入れ、筋肉痛や翌日の感覚もあわせて記録しましょう。

Q. 筋トレのTSSはどうやって決めればいいですか?

簡単な目安として、練習後のきつさ(0〜10)×10を1時間あたりのTSSにする方法があります。きつさ6で1時間なら約60です。何週間か記録してみて、翌日の脚の重さなどを見ながら自分に合うように調整してください。

Q. 筋トレをすると自転車のパフォーマンスは落ちますか?

長い目で見ると、重い負荷の筋トレは自転車のパフォーマンスを高めやすいとされています。ただし、筋肉痛が強い48時間後などは、タイムトライアルのパワーが下がったという研究もあるので、強度の高い自転車の練習とは日をずらしましょう。

Q. 筋トレをTSSに入れるとCTLが上がって見えませんか?

上がって見えます。そのため、自転車の練習だけのCTLと比べたいときは、筋トレのTSSを分けて考える必要があります。Training Peaksでは種目ごとに記録できるので、筋トレは筋トレとして入れておきましょう。

まとめ

筋トレとTSSのまとめ
  • TSSは本来、自転車のための指標:パワーとFTPで計算される
  • 筋トレの疲れも自転車の練習に影響する:記録しておくことが大切
  • 主観をもとに目安のTSSを入れる:きつさ×10が目安の一例
  • メモもセットで:種目・筋肉痛・翌日の自転車の感覚を記録する
  • 自分に合う方法を選ぶ:必要ならTSSに換算し、そうでなければ換算しない

大切なのは、自分で自分のコンディションとパフォーマンスを管理できるようになることです。そのために必要であればTSSに換算し、そうでなければ換算しない、というように、自分に合った方法を選びましょう。

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参考文献
  • Rønnestad BR, Mujika I. Optimizing strength training for running and cycling endurance performance: A review. Scand J Med Sci Sports. 2014;24(4):603-12. doi:10.1111/sms.12104
  • Burt DG, Twist C. The effects of exercise-induced muscle damage on cycling time-trial performance. J Strength Cond Res. 2011;25(8):2185-92. doi:10.1519/JSC.0b013e3181e86148
  • Sweet TW, et al. Quantitation of resistance training using the session rating of perceived exertion method. J Strength Cond Res. 2004;18(4):796-802. doi:10.1519/14153.1
  • Saw AE, Main LC, Gastin PB. Monitoring the athlete training response: subjective self-reported measures trump commonly used objective measures: a systematic review. Br J Sports Med. 2016;50(5):281-91. doi:10.1136/bjsports-2015-094758
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この記事を書いた人

伊藤 透のアバター 伊藤 透 ORCA CYCLING SCHOOL ヘッドコーチ

ORCA CYCLING SCHOOL ヘッドコーチ。日本スポーツ協会公認 自転車コーチ レベル3、健康運動指導士・健康運動実践指導者、NSCA認定パーソナルトレーナー。指導歴約16年。

ジュニアからトップ選手まで指導し、全日本自転車競技選手権大会ロードレース優勝、全日本学生選手権個人ロードレース大会優勝などの指導実績があります。

名古屋・久屋大通で、動作評価とidmatchクリートフィッティングによるロードバイクフィッティングを行い、膝や腰の痛みの改善とパフォーマンス向上をサポートしています。

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