こちらのブログでは、ロードバイクのトレーニングについて解説しています。
Training Peaks を使いたいです。
PMC の使い方について教えてください。
以上のような、PMCの使い方についてお答えします。
✔︎ この記事の内容
・ PMC にまつわる単語の理解
・ PMC の変動の理解
・
PMCは、Training Peaks のDash Board で使用できます。
Training Peaks を利用する最大のメリットは、パワーデータを細かく分析することができること、トレーニングの進捗が明確に理解できることです。
本格的にトレーニングをしたい場合は、Training Peaks を活用しましょう。
PMC とは
PMC ( Performance Management Chart ) とは、現在のフィットネスからコンディションを確認することができるチャートです。
PMC では、以下の5つの項目を同時に確認することができます。
【基本的なパワートレーニングの用語について】
・CTL … Chronic Stress Load (折れ線)
・ATL … Acute Stress Load (折れ線)
・TSB … Training Stress Balance (折れ線)
・TSS … Training Stress Score (点)
・IF … Intensity Factor (点)
パワートレーニングに関する用語
TSS 以外の単語で気になることがあれば、以下の記事を参考に確認してみましょう。
PMCの活用方法
まずは、PMCの変動について説明します。
トレーニングを実施した場合、あるいは実施しなかった場合では、ATL / CTL / TSB が以下のように反映されます。
CTL | ATL | TSB | |
トレーニングをした場合 | 当日上がる ⤴︎ | 当日上がる ⤴︎ | 翌日下がる ⤵︎ |
トレーニングをしなかった場合 | 当日下がる ⤵︎ | 当日下がる ⤵︎ | 翌日上がる ⤴︎ |
基本的には上記のような反応を示しますが、当日のCTLよりもTSSが低い場合は、トレーニングを実施しなかった場合と同じ反応を示します。(図の場合、CLT65に対してTSSが48となっています)。
パワートレーニングを実施している方にとって、CTLを下げることがパフォーマンスの低下につながると考える人も多いため、この状態はマイナスだと捉える人も多くいます。
しかし、人の体は常に動き続けることが難しく、時に休息を挟まなければ体調不良や力がうまく出ないなどの数値上で現れないパフォーマンスの低下をもたらします。
個人的な指導経験では
CTLが70程度の方の場合はTSB -20から-30
CTLが120程度の方の場合はTSB -30から-50
くらいまで耐えることができるますが、それを超えると一気にコンディションが崩れることがあります。※個人差がありますので、あくまでの参考程度にしてください。
確かに、CTLが低下してしまうと、こなせるトレーニング量が低下したり、走行できる距離や時間が落ちてしまうことがあるので、なるべく下げたくないという気持ちはわかります。
ですが、上記の理由からTSBを回復させない限りトレーニングが続かないため、そうした場合はアクティブレスト(積極的休養)という方法でTSSを控えめに体を動かしすす、TSBがあがるように回復、CTLをなるべく落とさないという図の方法を採用することもあります。
このように、日頃のトレーニングがどのような影響を与えているのかを数値化および視覚化されることで、トレーニングをより価値のあるものにすることが可能です。目的目標をお持ちでいらっしゃる方、フィットネス向上を目指される方、PMCを使いこなせるようにしてみましょう。
上記で説明した項目を確認することで、当日のTSBから実施するトレーニングを調整したり、トレーニングの達成度合いを測る為の振り返りができます。そうした基本的な使用方法以外にも、様々な仕様方法がありますが、今回は個人的にオススメする仕様方法を2つ紹介したいと思います。
フィットネスの予測管理
Training Peaks 内のカレンダーに、自身がトレーニングする予定であるメニューを入力することで、明日以降のチャートが反映されるようになります。※実際にトレーニングを遂行した場合を想定したチャートの動きを表しています。
この機能を利用することで、レース当日に向けてベストコンディション(TSBが+10から-5の間)で挑めるかどうかが、簡易的に確認できます。自身が狙っているレースやイベントがある場合、レース当日までの間のカレンダーにトレーニングを入力し、CTL/ATL/TSBがどのように変動するか確認してみるといいでしょう。
フィットネスの比較
データが蓄積されている前提でのお話になります。
過去に参加したレースに再度挑戦される場合、過去の自分よりもベストコンディションで挑めているかどうかを確認できるようになります。
PMCは日程を調整して確認することができますので”Custom Date“という機能を利用して、過去に参加したレースから4週間前までの記録辿り、比較することをお勧めします。
こちらの図は、すでにレースを終えてしまったデータになりますが、”フィットネスの予測管理”で紹介した予測機能と合わせるように使用すれば、過去の自分よりもベストコンディションまたは同コンディションで挑むことが可能となるでしょう。
ただ、多くのサイクリストは図の2018年度のように、レース前のテーパリングで慎重になりすぎてしまうと、CTLを下げてしまい、レース後から次のレースまでのトレーニングにネガティブな影響が出てしまうこともあるのですが…こちらについてはまた別のブログでいつか紹介したいと思います。※図における2019年は諸事情でレースに参加できていないため、TSSが0になっています。
こちらで紹介した方法をうまく利用して、自身の目的目標の達成をセルフサポートしてみましょう。
本記事のまとめ
PMCは、日頃のコンディショニング管理から、レースに向けたピーキングまで幅広く活用できます。うまく活用して、自身の成長に繋げていきましょう。
また、PMCを見る際にCTLの高さにこだわる方もいますが、CTLはパフォーマンスの高さに直結するものではありません。自身にとって必要な結果トレーニングを継続した結果であるため、CTLを求めるようにトレーニングをすることはオススメしません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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