
3本ローラーでの練習について聞かれることが多くあります。
ペダリングスキルの習得に最適、体幹が鍛えられるなどの効果を聞いたことがある方も多いと思いますが、こちらの記事では3本ローラーに乗ることで得られるメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。
3本ローラーで得られる効果とは
3本ローラーに乗ることで、確かにペダリング技術の習得につながることがありますが、まずはスキル以前に体力の向上が大きいと考えています。
3本ローラーで鍛えることができる体力は、主に3つが挙げられます。
※体力とは…行動体力における機能を表します。
協応性 – いろんな筋肉を使う
ロードバイクを乗るためには、単純に足の筋肉だけでなく、上半身の筋肉を使うことも大切です。どんな姿勢で乗ればよりうまくペダルを回すことができるかを考えながら、全身の筋肉を連動させながら満遍なく使っていきます。
平衡性 – バランス感覚を養う
ロードバイクを漕ぐことで生まれる慣性(安定)に頼るだけでなく、全身の筋肉を使ってバランスを取る感覚を身につけます。
持久力 – 体力の向上
3本ローラーで大きな負荷がかかることはありませんが、初心者-初級者の場合は十分な負荷となるため、持久力の向上に繋がります。
3本ローラーに乗る目的とは
乗るだけで上記のような効果を得ることができますが、そこから以下のスキルを獲得することができます。
① 落車回避に繋がる
初心者 – 初級者の方で、走行中にバランスを失って転倒(落車)し、怪我をしてしまうことがあります。3本ローラーを活用することで、バランス感覚を養い落車防止に努めることができます。また、それだけでなくバランスを崩した際に素早く立ち直ることができるリカバリー能力が身に付きます。
② 直進走行に繋がる
しっかりとしたバランス感覚は、安定した直進走行の技術に繋がります。日頃のサイクリングだけでなく、集団走行においても安心して走ることができるようになります。また、自身だけでなく共に走るサイクリストにも安心感を与えることができるようになります。(集団走行には必須となるスキル)
③ ペダリング技術の習得に繋がる
踏むペダリングをしている場合、3本ローラーの上で上下に跳ねる感覚が生まれますが、これはサイクリングで膝を痛める原因にもなります。そうした感覚を抑えながら乗ることで、回すペダリングを習得することができると考えられます。
3本ローラーに乗ってみよう
今まで3本ローラーに乗ったことがない方や、これから乗ってみようかとお考えの方に向けて、乗り方に関する動画を作成しております。以下を参考にぜひ乗ってみてください。
実施目的について
① 基礎となる体力の向上
② 安全な走行スキルの習得
③ ペダリングスキルの習得
3本ローラーを使うことのデメリット
うまくトレーニングをおこなえば様々なメリットがありますが、3本ローラーのトレーニングはデメリットもあります。
1. 大きな負荷がかけられない
固定ローラーと異なり、基本的には大きな負荷をかけることができないため、体力向上(持久力・筋力など)を考えた場合は物足りないと感じることがあります。純粋に体力向上にフォーカスしたい場合は、固定ローラーを活用しましょう。
2. 音や振動が気になる
日本国内での生活環境(賃貸・マンションなど)から、音や振動を気にされる方も多く、なかなかやりたくてもやれないと思われる方も多いと思います。様々な3本ローラーを使用しましたが、その中でもMINOURA製のR720(現行R730)やR820Aが音や振動も他メーカーに比べて落ち着いているため使用しやすいと思われます。
本記事のまとめ
3本ローラーは、安全な走行技術の習得を始め、これからサイクリングを始められる方の基本的な体力の向上から、ロードレースに参加されたいという方のための技術習得に役立ちます。
また、それだけでなく、ペダリングをはじめとする様々なライディングスキル向上に繋がります。それらについてはまた別の記事でまとめようと思いますが、
こちらの記事に紹介させていただいた動画を参考に、興味のある方は実施してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【この記事を書いた人】
伊藤透【保有資格 】
NSCA-CPT (LEVEL1)
健康運動指導士
日本スポーツ協会公認自転車競技コーチ3【指導依頼】
集団指導で3本ローラーの乗り方をお伝えしてます。
・ ジュニア/ユース専門ロードバイクスクール
・ スキル/フィットネス専門ロードバイクスクール