なんでこんなにもトレーニングを頑張ってるのに周りの人に比べてパフォーマンスが上がらないんだろ…
— 伊藤 透 Toru Ito (@toruito16) February 11, 2022
て人、意外と多いんですけど、原因は追い込みすぎ。
僕が知る限り、全力を出せるのは月に1回まは2回。その全力の練習にどうピークを持って限界を越えるか。
うまく休まないと、越えられない。
この投稿に対し、様々な反響があったことから、こうした状態に陥ったことがある、または陥っている人が多いのかなと感じたので、本記事を書きました。
こんな人、いませんか
仕事やプライベートの合間に空いた時間を活用して、精一杯の努力を積み重ねているのに、一緒に練習している人に比べて伸びない、憧れている人にいつまでも追いつけない・近づけないと感じる時はありませんか。
そんな時、
同じような練習時間と練習内容を実施しているのに、周りはどんどん強くなっている…置いていかれないように、追いつけるように、追い越せるようにもっと練習しないといけない
という焦燥感に駆られて、 より練習の強度を上げないと強くなれない・より練習の量を増やさないと強くなれないという考えに陥り、さらに自分を追い込もうとしたり、すでに追い込んだりしてませんか。
もしそうであれば、精神的にかなり追い込まれていて自分を潰してしまう可能性があります。今すぐ自転車に乗ることを辞めて、美味しいご飯を食べて好きな映画を観たり本を読んだりして、ぐっすりと眠りましょう。
もし、そのまま続けてしまうとカラダを痛めたり体調を崩してしまい、最終的に自転車が嫌いになって辞めてしまうかもしれません。
いや、辞めてしまうでしょう。
近年、SNSから様々な情報を得ることができる便利な世の中になっている反面、簡単に他者の情報に干渉することができるため、上記のようにいつのまにか意図せず自身と他者を比較して優劣をつけて、劣等感に駆られてしまうことがあります。
その劣等感から焦りを生み、間違った努力をしてしまう方を多く見かけますが、もし今そう感じているなら一度足を止めてみましょう。
成長する人としない人の違いとは
私自身、今まで競技的志向を有するサイクリストやトライアスリートを、プロ・アマ問わずに100名以上は指導してきました。
各地域で開催されているローカルレースから、全日本選手権サイクルロードレースでの勝利まで幅広くサポートさせていただきましたが、そこで伸びる選手と伸びない選手を沢山見てきました。
結果を出す選手とそうでない選手、もちろんフィットネスとしてのパフォーマンスの差はあれど、どのレベルでも結果を出している方は 心身ともに積極的に休息を取り入れて、コンディションを良好な状態に持っていくのが上手い という印象があります。
※良好な状態に持っていくまでの過程(ワークアウト)が個人の目的目標に適切であることが前提
その意味について、少し掘り下げてみましょう。
積極的な休息を取り入れることとその意味
“休息” は身体を成長させる上で重要な成長因子です。
冒頭にも述べたように、常に強度を上げたり量をこなそうとすると、常時疲労に苛まれた状態で練習に取り組むことになります。
疲労に苛まれた状態では、練習が思うように行えずに、成長するための運動刺激に達成せず疲労だけが残り、練習強度が足りないから…練習量が足りないから…と練習を積み重ねるという負のスパイラルに陥り、精神的に参ってしまいます。
ここで理解しておきましょう。
成長に重要なことは、自身の100%に近い状態または100%を超える状態に整えた上で、今まで以上の刺激を得ることができる練習をすることです。
上記のように疲労に苛まれた状態では、そうした状態には到底たどり着けず、むしろどんどん理想的な状態からかけ離れてしますから、いつまで経っても成長因子となる刺激を入れることができません。
また、こうした練習は1週間に何回もできませんし、月に数回できるわけでもないということも知っておきましょう。個人的に、指導経験上月に1回または2回くらいだと思いますし、むしろ2ヶ月に1回くらいといっても過言ではないと思います。
そうした練習に意図して取り組めるようになるためには、適度な休息とテーマを持った練習を繰り返し行うことです。
※プロ・アマ問わず結果を残す選手はこのコントロールが抜群に上手い。
その適度な休息とテーマを持った練習とは、どれくらいでどんなないようなのか?と思われる方も多いと思いますので、以下を参考に置いておきます。
▷ 個人での場合
・同じ出力でも心拍数を下げるためのペダリングの習得
・同じ出力でも速度を上げるためのフォームの習得
・心拍数が上がらないけどダンシングの習得
▷ 集団での場合
・誰かの後ろを走る際に、どう車間を一定に保つか
・誰かの後ろを走る際に、いかに出力/心拍を下げるか
・アタックがかかった時に、どうクイックに反応するか
● テーマの意図
自転車は体力的因子も大きいが、戦術や戦略、技術の習得というのも結果を残す上では重要な因子となりますから、トレーニング強度を上げる(数値に縛られる)こと以外にも目を向けましょう。
お仕事やライフスタイルを正確に把握した状態での参考ではないので、あくまで参考程度に、適度な休息を挟みながらも、フィットネスが低下しないようにテーマを持ったワークアウトをうまく配列しながら、自身の100%に近い状態または100%を超える状態に整える方法を理解して、たった1ヶ月または2ヶ月に1回の自分の限界に挑める練習を行うという経験を得ましょう。
改善するためのポイント
さて、ここまで何をすればいいかを説明して参りましたが、その他にも伝えたいことがあるのですが、これ以上書いてもあまり頭の中に入ってこないと思うので、こういう状態に陥った時にとるべきシンプルな行動をお伝えしておきます。
やってはいけないこと
他人と比べること
SNSを通して様々な有名人のトレーニング情報を見て、自身の練習量や強度を比較することが多いかもしれませんが、生活スタイルや現在のフィットネスレベルやバックボーンが違うので、比較してもあまり意味はありません。目を通すことをやめましょう。
睡眠時間を削って練習すること
練習を確保するために、睡眠時間を削ってしまう方もいますが、それでは十分な回復ができずに質の高い練習を確保できないため、休むことを心がけましょう。
過度な減量に走ること
パワーウエイトレシオを追い求めて過度な減量に走るケースがありますが、極端な減量は体に毒です。質の高いトレーニング刺激を得るためにも、しっかりとした食事を心がけて1回1回の練習・トレーニングを意味あるものにしましょう。
やってほしいこと
自転車以外の趣味を楽しむこと
自転車(ロードバイク)以外にもたくさん楽しいことがあります。プロ選手も様々な趣味を持っていて、休日はそれを楽しむように過ごしていたりします。競技のことは忘れて、自分が心身共にリラックスできるような趣味を見つけ、楽しむことも大切です。
美味しいものを食べて、ゆっくり寝ること
減量続きだと精神的にまいてしまうこともあり、些細なことで大きくイライラすることがあるなど気性が荒くなる方もいます。
家族やパートナーとの時間を大切にすること
家族やパートナーからの理解を得ながら競技に打ち込めているとはいえど、事故や落車に関する心配をさせてしまったり、本当はもっと一緒に過ごしたいのに表に出せない不満を募らせていることもあります。自身が競技を楽しませてもらっている感謝の気持ちを込めて、一緒に過ごす時間を定例的に確保するようにしましょう。
まとめ
今回の記事に書いたような状態は、意外と多くの人が経験するものだと思います。
自分に厳しくストイックな方に多いと思いますが、まずは継続して練習している自分を褒めるべきです。継続できていることは素晴らしいからです。
結局、成長するためには質や量に合わせて継続すること。
継続は力なりです。
そのためには適度に休息をいれて、無理(ストレス)のない範囲で取り組むことが大切です。
休むことも、練習。
自転車に乗らない日を作らないと成長しませんから、おいしいもの食べて好きに過ごして休む日を作りましょう。乗ってもいいですけれど、美味しいものを食べたり好きな景色を観るための、数値に捉われない心が赴くままのサイクリングを楽しみましょう。
上記だけでなく、色々と悩まれる方も多いと思いますが、本当に悩まれている場合は一度ご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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