ロードバイクのための正しい筋トレをスクワットを例に考える

こんにちは。

自転車競技コーチのとおる( @toruito16 )です。

こちらの記事では、ロードバイクのトレーニングについて解説しています。

ととまる
ととまる

ロードバイクのために筋トレをしようと考えています。

 

どんなフォームで行えば良いか教えてください。

以上のような、ロードバイクのための筋トレに対するお悩みについてお答えします。

✔︎ この記事の内容
・ 筋トレ のもたらす効果
・ 筋トレ の正しいフォームの意味
・ 筋トレ とスポーツパフォーマンス

パフォーマンス向上のために筋トレをおこないたいと考えるも、どんなフォームで行えばいいのかと悩まれる方がいます。

今回は、そうした方に向けて、筋トレのフォームの考え方やヒントとなる動作についてお伝えしたいと思います。

目次

筋トレをする意味

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⚫︎ 筋トレで得られる効果
: パワーの向上
: 筋肉量の維持・向上
: 運動効率の向上
: 体の痛み・怪我の予防
>> 筋トレのメリットの詳細について

筋トレは、単にパフォーマンス向上につながるだけでなく、筋力や柔軟性が向上することでペダリングスキルの向上に合わせて、腰や膝の痛みの予防につながり、継続的に練習できるようになることからさらなるパフォーマンス向上へ繋げることができると考えられます。

皆さんも上記をしながら、筋トレを実施してみましょう。

こちらの記事にて、筋トレを導入するメリットを説明しております。

筋トレの正しいフォームとは

筋トレの正しいフォームについて議論されることがあります。

スクワットを例に挙げると、つま先よりも膝を前に出さないこと・つま先よりも膝が内側に入らないことが正しいフォームとして挙げられるでしょう。

確かに、怪我をしないことを前提とするならばその2点は意識すべきだと考えられますが、大腿四頭筋を中心に鍛えたいと考えるならばつま先よりの膝を前に出すことが、競技として重量を上げる場合はつま先よりも膝を内側に入れることが、それぞれ正解になることも考えられます。

つまり、正しいフォームとは、自身の達成したい目的目標に合わせた安全かつ効果的なフォームだと考えられます。

筋トレ のフォームを考える

筋トレをおこなう目的目標は、大きく分けると以下の3つが多いと考えられます。

⚫︎ 筋トレの実施目的
: 挙上重量
: 筋肥大
: パフォーマンス

それぞれについて少し掘り下げてみます。

挙上重量 : パワーリフティング

パワーリフティングのために挙上重量を高めることを目的としている場合は、自身の身体的特徴(構造)に合わせて、全身の筋肉を総動員させて効率的にバーベルを上げるためのフォームが正しいフォームといえるでしょう。

そのために、スクワットであれば効率的に膝を伸ばせるように、膝を内側に入れるという動作も許容されると考えられます。

筋肥大 : ボディメイク

ボディメイクのために筋肉を肥大させたりカット(筋繊維)を出すことを目的としている場合は、ターゲットとしている筋肉にいかに効かせることができる(負荷をかけることができる)フォームが正しいフォームといえるでしょう。

そのため、スクワットであれば大腿四頭筋を鍛えるために、膝をつま先よりも前に出すという動作も許容されると考えられますし、決められた関節角度の中で動くという動作も許容されると考えられます。

パフォーマンス : 運動機能向上

パフォーマンスのために怪我の予防および筋肉が発揮する出力が向上することおよび目的としている場合は、競技動作につながるための筋力を高めるために、筋肉の連動性を考えて柔軟性と筋力を養うためのフォームが正しいフォームをいえるでしょう。

そのため、スクワットであれば大臀筋に柔軟性の伴った筋力を与えるために、つま先よりも膝が前に出過ぎない状態で深くしゃがむという動作が必要になると考えられます。

こちらの記事では、ロードバイクのパフォーマンス向上につながるフォームについて言及していきたいと思います。

パフォーマンス向上のために

ロードバイクのパフォーマンスを向上させるためには、ペダリング動作に必要とされる下半身の筋肉の筋力と柔軟性を手に入れることが大切になると考えられます。

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そのなかでも重要と考えられる筋肉の一つに、大臀筋があります。

この大臀筋を、パフォーマンス向上に繋がるよう最大筋力を高めたいと考えた時におこなうスクワットを例に、適切なフォームを考えてみましょう。

スクワットを例に考える

スクワットは、下半身を中心とする筋肉を鍛えるための効率的かつ効果的なエクササイズですが、主に3つの因子によって使用される筋肉や効果が異なります。

① しゃがむ深さ (関節角度)
② バーを担ぐ位置 (ポジション)
③ 足幅 (スタンス)

それぞれについて、説明していきたいと思います。

関節角度

まずは、しゃがむ深さについて説明します。

ロードバイクのパフォーマンスを向上させるために大臀筋を鍛えたいと考えた時、最も股関節を大きく動かすフルスクワット(大腿骨と地面が並行よりも深くしゃがむ)が最適だと考えらます。( Pallarés JG, 2021 )

大臀筋の持つ ROM : Range of Motion (関節可動域)を最大限に出して動きましょう。

バーポジション

次に、バーベルを担ぐ位置について説明します。

ハイ・バーポジション( C7 : 第7頚椎の下 )で担いでおこなうスクワット(HBBS)ロー・バーポジション( 肩甲棘下 )で担いで行われるスクワット(LBBS)に分けられますが、HBBSでは大腿四頭筋の稼働率が高く、LBBSは大臀筋の稼働が高いと考えられています。 (Glassbrook DJ,2017 )

合わせて、大臀筋を中心としながらハムストリングや脊柱起立筋といった隣接する背面の筋群 ( Posterior-Chain ) も稼働させることができるため、より力強く動くことができると考えられます。

スタンス

最後に、足幅について説明します。

ナロー・スタンス( 肩峰水平長の0.7倍 )ワイドスタンス (肩峰水平長の1.7倍)にわけて、それぞれハイ・バーとロー・バーで行った場合、ロー・バーワイドスタンス(LBWS)でおこなうことがその他の条件でおこなわれるスクワットに比べて大臀筋を中心とした股関節の筋出力の発揮が高いと考えられます。( Larsen S, 2021 )

ただし、 肩幅広いのに足が短い私(いとう)のような身体的特徴を有する方の場合、肩峰水平長の1.7倍はとんでもなく幅が広いので、Glassbrook DJ,2017 の論文で紹介されているように、 肩幅の 97 – 183% の間に抑えるべきだと考えられます。

適切なフォーム

以上のことから、パフォーマンス向上のために、大臀筋の筋力を最大限には高めるということを考えるのであれば、ローバーポジションでおこなわれるワイドスタンスのフルスクワットをおこなうと良いと言えるでしょう。

スクワットされる場合は、以上の動作を参考にしてみてください。

① ターゲットとする筋肉の明確化
② 筋肉(関節)がもつ最大可動域で動く
③ 筋 – 筋膜連鎖を考える
【考え方とフォームについて】
ロードバイクのスプリント能力を高めるために自身の大腿四頭筋が弱いから鍛えたいという場合は、ハイ・バーポジションでおこなわれるナロースタンスのフルスクワットが有効であることも考えられます。
※例 : 競輪選手など種目における様式(フォーム)の選択は、あくまでも自身が目的目標としている内容と身体的特徴によって異なるので、よく考えて実施しましょう。

筋トレ = 競技動作 ではない

時にパフォーマンス向上と称して、筋トレを競技に近い動作でおこなう方がいます。

・スクワットのしゃがむ深さをペダリングの間接角度に合わせる
・ペダリングは片足動作だから片足中心のエクササイズをペダリングの角度に合わせて行う
などが該当します。

筋トレは、あくまでも関節的にパフォーマンス向上につながるフィットネスを高めるための手段であり、直接的に競技パフォーマンス向上につながるものではありません

競技力を向上させるためには、基本的に競技練習をおこなうことが大切で、その中で発生するTransfer Effect (トレーニング効果の転移)によりパフォーマンスが向上していきます。

筋トレで全てを済ませるわけでなく、実際にロードバイクに乗ることも忘れないようにしましょう。

伊藤透のブログ
404: ページが見つかりませんでした | 伊藤透のブログ 「 名古屋から世界へ 」アスリート(スポーツ)専門のストレングス & コンディショニングの指導を行います。

まとめ

今回はスクワットを参考にフォームの解説を行いましたが、パフォーマンスを向上させるためには他にも多数のエクササイズがあります。

それらのエクササイズにも様々なフォームがありますが、自身の目的目標に合ったフォームでおこなうように心がけましょう。

とはいいつつ、実際にはフォームだけでなく、1回のワークアウトの中で行われるエクササイズのセット数や回数に合わせて、各エクササイズの配列を考える必要があります。さらには、ワークアウトだけでなく1週間のトレーニングプログラムの配列を考える必要もあります。

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意外と考えないといけないことばかりなので大変だとは思いますが、一つずつ試してみて自分に合う方法を探してみましょう。

【オススメ参考書物】

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

● この記事を書いた人
伊藤透のプロフィールはこちら

 

● 指導依頼について
・筋トレのパーソナルトレーニングのは こちら
・パワートレーニングのオンラインコーチングは こちら

参照

(1) ( Pallarés JG, 2021 ) Effects of range of motion on resistance training adaptations: A systematic review and meta-analysis

(2) ( Glassbrook DJ,2017 ) A Review of the Biomechanical Differences Between the High-Bar and Low-Bar Back-Squat

(3) ( Larsen S, 2021 ) Effects of Stance Width and Barbell Placement on Kinematics, Kinetics, and Myoelectric Activity in Back Squats

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この記事を書いた人

愛知県名古屋市のロードバイクスクール。

小学生から大人まで幅広く指導しております。

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