こんにちは。
名古屋栄・久屋大通のトレーニング施設 「 ORCA TRAINING LABO 」の伊藤です。
こちらの記事では、ロードバイクのトレーニングについて解説しています。
ヒルクライムが速くなりたいです。
どのような筋トレをすればいいですか?
以上のような、ヒルクライムに対するお悩みについてお答えします。
・ヒルクライム に必要な能力
・ヒルクライム に対する筋トレの有効性
・ヒルクライム にオススメの筋トレ
ヒルクライムに必要な能力
ヒルクライムを速くするためには、FTP : Functional Threshold Power を高くする必要があります。
⚫︎ FTP とは
1時間発揮し続けられる最大出力(有酸素代謝で発揮し続けられる最大出力)として定義されています。
>> 詳しくはこちら
FTPを高めるためには、有酸素能力だけでなく解糖系の代謝 ( 乳酸を代謝してエネルギーとして活用する能力 )を高める必要があります。
もちろん、速くなるためにはFTP以外にも様々な因子がありますが、筋トレがどのようにヒルクライムのパフォーマンス向上につながるのかを考えたいと思います。
ヒルクライムに筋トレは必要か
SNSを中心に、ヒルクライムには筋トレが必要ないという意見に合わせて、必要だという意見も見られます。
そうした意見をまとめると、以下のような内容について触れられていることが多いと感じています。
⚫︎筋トレ否定派の意見
: FTP向上につながらない
: 体重が増えてパフォーマンスが下がる
: 筋肉痛で練習ができない
⚫︎筋トレ肯定派の意見
: FTP向上につながる
: パワーを維持したまま減量できる
: トルク負けせずに坂を登れる
この記事を読まれている方も、それぞれの意見をどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
どちらも一見、間違っていないように見える意見ですが、それぞれについて言及したいと思います。
ヒルクライムのための筋トレとは
結論から言えば、ヒルクライムのパフォーマンス向上に筋トレを有効です。
筋トレが有酸素能力能力を向上させるというイメージはあまりないかもしれませんが、適切に行えばFTP向上につながります。ですが、短期的に効果があるわけでなく、その効果が確実に現れると考えられる期間として、1年間継続的に週1〜2回程度行う必要があると考えられます。( Cesanelli L . 2022 )
しかし、筋トレを行うことで体重が増えるのではと考える方も多いとおもますが、自転車のトレーニングと並行して行なっている方の場合はあまり増えることがありません。それでも増える場合は、運動初心者かエネルギーバランスが摂取カロリー > 消費カロリーとなっていることが多いことが考えられるので、運動量を食事量および質を見直す必要があります。
また、筋トレを行うことで発生した筋肉痛が、サイクリングパフォーマンス低下に影響すると考えられることも多いのですが、実際にはあまり関係ないと考えられます。( Karasiak FC , 2018 )
それ以外にも、筋力が向上することで、ヒルクライム時の膝痛・腰痛予防にもつながることが考えられるため、意外と取り組むべきメリットが多いと考えられます。
ヒルクライムにオススメの筋トレとは
ヒルクライムが速くなるための筋トレ種目や方法を聞かれることがあるので、この記事を読んで興味が湧いた方に向けて、オススメ種目とその内容を説明したいと思います。
その際は、下記のエクササイズを中心に5〜6種目を選択し、実施することをお勧めします。
⚫︎ オススメ種目
フリー : パラレルスクワット
フリー : ルーマニアンデッドリフト
フリー : ブルガリアンスクワット
マシン : レッグプレス
マシン : レッグカール
>> 各種、筋トレのフォーム・動作を知りたい方へ
こちらの記事では、フリーウエイト(バーベルエクササイズ)を中心に紹介します。
パラレルスクワット
⚫︎基本姿勢について
・ 足は腰幅程度 : 肩の真下に踵がくるように、つま先を少し外に向ける
・ バーの位置 : 頚椎7番目(首裏の突起)の下から肩甲骨の上で保持する
⚫︎ 動作について
① 少しお尻を後ろに引くようにしながらしゃがみ始める
② 胸を正面に向けた姿勢を維持しながら、深くしゃがむ
③ 骨盤後継または背中が丸くなる手前で切り返す
⚫︎ しゃがむ深さを調整しよう
パラレルスクワットよりも深くしゃがむように指導していますが、③の動作で骨盤後継または背中が丸くなる場合は、正しい姿勢を保持できる位置で切り返していただいて問題ありません(ハーフスクワットなど)。姿勢を維持できる深さで実施しましょう。
⚫︎ より効果的におこなうために
・ 膝から動き始めるのではなく、股関節から動き始めるイメージで行います。
・ 重心位置は土踏まずから踵に置くようにしましょう。
ルーマニアンデッドリフト
⚫︎ 基本姿勢について
・ 足は腰幅程度 : 足と足の間は、拳が1つ分程度に開ける
・ 手は肩幅程度 : 手幅は腰の横になるように持つ
⚫︎ 動作について
① お尻を後ろに突き出すようにしながら、おじぎしていく。
② 膝は20 – 30度程度でキープしたまま動きます。
③ 骨盤 – 背骨の動きが崩れずに、ハムストリングのストレッチを最大限感じた場所から起き上がる。
⚫︎ より効果的におこなうために
・ 常に肩甲骨を寄せた状態を維持したままおこないましょう。
・ 重心位置は土踏まずから踵に置くようにしましょう。
ブルガリアンスクワット
⚫︎ 基本姿勢について
・ 足は腰のまま、前後に開く : 肩幅より広め ( 1.5倍くらい )
・ 後ろに乗せる台は低めにする : 膝より低い台やイスに乗せる
⚫︎ 動作について
① 前足重心を維持しながら、 スクワットと同様にお尻を引きながらしゃがむ。
② しゃがむ時に前脚の膝が、つま先より過度に前に出ないようにする。
③ 後ろ脚の膝が床にタップした瞬間、前足の踵・土踏まずで押し上がる。
⚫︎ より効果的に行うために
・ 1回ずつしっかりと真上まで起き上がりましょう
・ 可能な限り最大限可動域を出すように実施しましょう。
実施回数など
エクササイズ以外にも、頻度や回数などについて聞かれることも多いので、合わせてご案内させていただきます。
⚫︎ プログラムデザイン
頻度 : 週1〜2 回
種目数 : 5〜6種目
セット数 : 3〜4セット
レップ数 : 6〜10回
※ レップ … 1セットあたりの回数
また、実際に筋トレを導入する際はタイミングが気になると思いますが、以下の記事を参考にしてください。
「パフォーマンスがあがらない…」と感じる方へ
筋トレを適切におこなうことで、パフォーマンス向上にうまくつながります。しかし、導入タイミングやそのフォームが適切でなければうまくパフォーマンス向上につながりません。
こちらの記事と、本ブログにあるいくつかの記事を参考に、自分に合った方法を探してみましょう。
気になることがあれば、私の公式LINEアカウントからお気軽にご質問ください。
トレーニングに関するご質問は、LINEからのみ受け付けています。
@toruito16 をフォローいただいたのち、DMまでご連絡くださいませ。
※ 記事に関するご質問のみ返答させていただきます。個人のトレーニングについての質問は受け付けておりません。
また、実際に筋トレを中で、パフォーマンスの伸び悩みを感じたり、現状おこなっているトレーニングが正しいか気になるという場合は、トレーニングの評価も行っておりますので、以下よりお問い合わせください。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
( Cesanelli L . 2022 ) Performance indicators and functional adaptive windows in competitive cyclists: effect of one-year strength and conditioning training programme.
( Karasiak FC , 2018 ) Effects of Exercise-Induced Muscle Damage in Well-Trained Cyclists’ Aerobic and Anaerobic Performances