こんにちは。
名古屋・岐阜羽島のロードバイクスクール「 ORCA CYCLING SCHOOL 」です。
おるか君毎週たくさん乗っているのに、速くなりません。
練習とトレーニングって、何がちがうんですか?
練習とトレーニングは、同じ意味で使われがちですが、目的がちがいます。練習は「技術(スキル)」を上達させるため、トレーニングは「体力(フィットネス)」を高めるための運動です。この2つを分けて考えると、伸び悩みの原因と、次にやるべきことがはっきりします。
この記事では、練習とトレーニングの違い、スキルとフィットネスの関係、ロードバイクでの使い分けを、研究をもとに解説します。
名古屋のロードバイクスクール「ORCA CYCLING SCHOOL」では、練習・ポジション・トレーニング計画を直接指導しています。
練習とトレーニングの違いとは?
練習を英語にすると「Practice(プラクティス)」、トレーニングを日本語にすると「鍛錬」です。辞書では、それぞれ次のように説明されています。
- 練習:技能・芸事などが上達するように、繰り返し習うこと
- 鍛錬:体力・精神力・能力を鍛えて強くすること
つまり、練習は技術(スキル)の向上が中心の運動、トレーニングは体力(フィットネス)の向上が中心の運動です。ロードバイクのペダリングで例えると、次のようになります。
| 練習 | トレーニング | |
|---|---|---|
| 目的 | 今の体力を、パフォーマンスに最大限つなげる | パフォーマンスを伸ばすための土台(体力)をつくる |
| 高めるもの | スキル(技術) | フィットネス(体力) |
| ロードバイクでの例 | ペダリング、エアロフォーム、コーナリング、集団走行の技術を身につける | 股関節・膝・足首を動かす筋力や、持久力を高める |
| 伸び悩みのサイン | 体力はあるのに、レースや走りに生かしきれない | 技術を身につけても、パワーが頭打ちになっている |
スポーツにおける「フィットネス」とは?


フィットネスは、健康のための運動を指す言葉としても使われますが、本来は「体力」という意味です。体力は上の図のように、体を動かすための「行動体力」と、体を守るための「防衛体力」などに分けられます。
スポーツでいうフィットネスは、主に行動体力、その中でも筋力・持久力・敏捷性・平衡性・柔軟性といった「機能」を指すことが多いです。
スキルとフィットネスの関係
スポーツのパフォーマンスを決めるうえで大切なのが、その競技ならではの動き、つまりスキルの高さです。そして、スキルは一定以上のフィットネスがあってはじめて身につくと考えています。土台となる体力が足りないと、技術を習得しにくいだけでなく、ケガにつながることもあります。
ロードバイクでの例|ペダリングと筋力
たとえば、お尻(大臀筋)や太ももの裏(ハムストリングス)の筋力が足りないままペダルを踏むと、太ももの前(大腿四頭筋)に頼りきってしまい、膝に負担がかかって痛みが出ることがあります。初心者から初級者に多いケースです。
このとき、ペダリングの技術を練習するのも1つの方法ですが、そもそも筋力がなければ、正しく踏み込むことは難しくなります(特に上り坂)。ダンシングやエアロフォームの維持も同じで、技術を身につけるには、それを支える体力が必要です。


研究からわかる、練習とトレーニングのつながり
① 鍛えた体力が、競技に「転移」するかが大切
トレーニングで高めた能力が、実際の競技にどれだけ生かされるかは「トレーニングの転移(トランスファー)」と呼ばれます。この分野をまとめたレビューでは、技術(スキル)の転移と、体力(筋力や持久力)の転移は分けて考える必要があること、そして体力のトレーニングは、その競技に求められる動きや生理的な特徴に合っているほど、競技に生かされやすいことが示されています。
つまり、トレーニングは「何でも鍛えればいい」のではなく、ロードバイクで必要な体力を狙って行うことが大切です。
② 筋力トレーニングは、ロードバイクの効率を高める
持久系の選手を対象にした研究をまとめたレビューでは、ふだんの持久系の練習に高重量の筋力トレーニングを組み合わせると、ペダリングの効率(サイクリングエコノミー)や自転車のパフォーマンスが高まるという、比較的強い根拠があると報告されています。
自転車に乗るだけでは伸びにくい部分を、トレーニングで補えるということです。筋力トレーニングの具体的な方法は、こちらの記事で解説しています。
- 練習は技術(スキル)、トレーニングは体力(フィットネス)を高める運動
- スキルは、一定以上のフィットネスがあってはじめて身につく
- トレーニングは、ロードバイクに必要な体力を狙って行うほど、走りに生かされやすい
練習とトレーニングのバランスの考え方
「練習している中で、体力は伸びないのですか?」と聞かれることがあります。実際には、練習の中で体力が伸びることも、トレーニングの中で技術が伸びることもあります。
そのため、パフォーマンスを高めたい場合の基本は練習が中心です。ただし、伸び悩みの原因が技術ではなく体力にあるなら、トレーニングを取り入れる必要があります。
| 今の状態 | 優先したいこと |
|---|---|
| 体力はあるのに、走りに生かせていない | 練習(ペダリング、フォーム、集団走行などの技術) |
| 技術はあるのに、パワーが頭打ち | トレーニング(筋力、持久力などの体力) |
| 膝や腰など、痛みが出やすい | トレーニング(技術を支える筋力・柔軟性)と、フォームの見直し |
大切なのは、練習とトレーニングのどちらを、どのくらいの割合で行うのが効率的かを考え、計画を立てて選ぶことです。1週間のトレーニングメニューもあわせて参考にしてください。
AFTER WORK CLASS
名古屋で、仕事帰りにコーチと一緒に練習しませんか
ORCA CYCLING SCHOOLの大人クラスでは、月曜は筋力トレーニング、火・水曜はローラー練習を1回90分で行っています(星が丘校・名古屋本校)。初心者から上級者まで、1回4,400円から参加できます。
大人クラスを見る →よくある質問
Q. 練習とトレーニングの違いは何ですか?
練習は、技術(スキル)を上達させるために繰り返し取り組む運動です。トレーニング(鍛錬)は、体力(フィットネス)を高めるための運動です。ロードバイクなら、ペダリングやフォームを磨くのが練習、筋力や持久力を高めるのがトレーニングにあたります。
Q. スポーツにおけるフィットネスとは何ですか?
フィットネスは本来「体力」という意味です。スポーツでは、主に筋力・持久力・敏捷性・平衡性・柔軟性など、体を動かすための「行動体力」を指すことが多いです。
Q. 練習だけで速くなれますか?
技術が伸びしろになっているうちは、練習中心で速くなれます。ただし、技術はある程度の体力があってはじめて身につくため、伸び悩みの原因が体力にある場合は、トレーニングを取り入れる必要があります。
Q. 練習とトレーニングはどのくらいの割合で行えばいいですか?
決まった割合はありません。今のパフォーマンスが伸び悩んでいる原因が技術にあるのか、体力にあるのかを見極め、その割合を目的に合わせて調整していきます。
まとめ
- 練習は「技術(スキル)」、トレーニングは「体力(フィットネス)」を高めるための運動
- スキルは、一定以上のフィットネスがあってはじめて身につく
- 研究では、持久系の練習に筋力トレーニングを組み合わせると、ロードバイクの効率が高まると報告されている
- 伸び悩みの原因が技術か体力かを見極め、練習とトレーニングの割合を決める
伸び悩んでいるときは、その原因が練習にあるのか、トレーニングにあるのかを考えてみてください。自分がどちらにどれくらい取り組んでいるかを振り返るきっかけになればうれしいです。
- Issurin VB. Training transfer: scientific background and insights for practical application. Sports Med. 2013;43(8):675-694. doi:10.1007/s40279-013-0049-6
- Rønnestad BR, Mujika I. Optimizing strength training for running and cycling endurance performance: a review. Scand J Med Sci Sports. 2014;24(4):603-612. doi:10.1111/sms.12104








