フィットネス(Fitness)とは何を表すのか” と質問を受けることがあります。
フィットネスクラブという言葉もあるように、フィットネス = 健康を目的とした運動を示す言葉としても使用されますが、本来は“体力”という意味を表しております。健康志向の方が考える”体力”と、競技者が考える”体力”には違いがありますが、皆さんは体力とは何を表しているかご存知でしょうか?
実は体力という要素は様々な因子から複合的に見られております。
健康志向におけるフィットネスは、図の全体を指していると考えられますが、スポーツにおけるフィットネスは、主に身体的要素の行動体力を指すことが多いと考えられます。その中でも、形態より機能に関する内容に目を向けることが多いのではないでしょうか。
さて、スポーツではこの機能が、どのようにパフォーマンスに関与しているのかを説明したいと思います。
目次
フィットネスとスキルの関係性
スポーツパフォーマンスの優劣を決める因子はいくつもあります。その中でも重要なのが”
スキル(競技特異的動作)の高さ“だと考えられますが、スキルの高さを決定づける因子として、フィットネスが関係してきます。
イメージしやすいように、以下の図を確認してみましょう。
スキルはフィットネスがある一定水準以上に達していることで習得できるものであると考えられ、基本的なフィットネスがなければスキルを習得することができない、または怪我をする可能性があると考えられます。
ロードバイクにおけるフィットネスとスキル
極端な話ですが、ペダリングというスキルを用いて説明したいと思います。
https://toruito16.com/pedaling-strength/
上死点から下死点に踏み込む際に、大臀筋やハムストリングの筋力がない状態でペダリングをおこなうと、大腿四頭筋(太腿側)に頼りきってしまい、膝関節にストレスを与えて痛みが発生してしまう場合があります(主に初心者から初級者に多い)。
その場合の解決策は、ペダリングスキルの習得(上死点からの踏み込み)という方法もありますが、そもそも筋力がなければ踏み込むことが難しいと考えられます(特に登坂において)。
そのほかにもダンシング・エアロフォームの維持など、パフォーマンスを向上させるスキルがありますが、それらを習得するためにはフィットネスも重要だと考えられます。パフォーマンスの向上がうまくいっていない場合、一度自身のフィジカルが足りているかどうかなど、確認してもいいのではないかと考えております。
そんな時は、練習だけでなくトレーニングを組み合わせましょう。
それぞれを高める
練習とトレーニングの違いでも説明をしましたが、基本的に練習は競技特異的な技能を習得する運動になります。副次的な効果としてフィットネス向上を得られることができますが、大きく期待することはできません。
例えば、野球選手が肩の筋肉を鍛えようと野球のボールを投げ続けたところで、肩の筋肉が強くなるのかと言われたら、思ったより強くなることはないでしょう。それならば、ダンベルやバーベルでショルダープレスを行ったほうがいいと考えられます。
※ そもそも肩の筋肉を強くしようという思いがあるかどうかは別として…
アスリートでいられる寿命も、長いわけではありません。限られた寿命の中で最高の結果を出すためには、ボトルネックはフィットネスかスキルかを正確に判断し、効率的かつ効果的にトレーニングと練習を組み合わせて行えることが大切だと考えています。上記をもとに、自身に足りていないものを振り返ってみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。]]>