パワープロフィールとは?Training Peaksでの見方と脚質の判断・使い方

パワープロフィールとは?Training Peaksでの見方と脚質の判断・使い方

こんにちは。

名古屋・岐阜羽島のロードバイクスクール「 ORCA CYCLING SCHOOL 」です。

おるか君

Training Peaksを使っています。

パワープロフィールの見方と使い方を教えてください。

パワープロフィール(Power Profile)とは、5秒・1分・5分・20分など、時間ごとの自己ベストのパワー(MMP)を並べたものです。どの時間のパワーが高いかで、スプリントが得意か、登りやタイムトライアルが得意かといった「脚質」や、伸ばすべき能力が分かります。Training Peaksでは、Premiumのダッシュボードで確認できます。

この記事では、パワープロフィールの見方、脚質の判断で気をつけたいこと、過去の自分と比べるおすすめの使い方を解説します。

目次

パワープロフィールとは?

パワープロフィールは、時間ごとの最大の平均パワー(MMP:Mean Maximal Power)をグラフにしたものです。Training Peaksの登録や設定がまだの方は、Training Peaksの使い方|料金・初期設定を先にご覧ください(パワープロフィールはPremiumで使えます)。

Training Peaksのパワープロフィール
時間主に使われる能力パワーゾーン
5秒神経系のパワー(スプリント)ゾーン7
1分無酸素のパワーゾーン6
5分最大酸素摂取量(VO2max)付近のパワーゾーン5
20分長く持続できる有酸素のパワーゾーン4
60分1時間ほど出し続けられるパワー(FTPの目安)ゾーン4〜3

研究では、このような時間ごとのパワーのテストの結果は、実際のレース中に出たMMPとよく一致することが分かっています(Quod et al., 2010)。つまり、パワープロフィールは「レースで出せる力」を表す、信頼できる指標です。

パワープロフィールの見方|脚質の目安

いちばん高い時間得意なこと(目安)
5秒スプリント
1分1kmTTなどトラック種目、短い急坂
5分アップダウンのあるコース、アタック
20分ヒルクライム、タイムトライアル

プロ・エリート選手を1シーズン調べた研究でも、スプリンターは短い時間のパワーが高く、クライマーは長い時間のパワーが高いなど、パワープロフィールが選手の脚質をよく表していました(Pinot・Grappe, 2011)。

「ヒルクライムが得意」と決めつけないで

これまで100名以上のサイクリストやトライアスリートのデータを見てきた経験では、パワートレーニングを始めたばかりの方は、5分か20分がいちばん高くなっていることがほとんどです(個人的には9割ほど)。そのため「自分はヒルクライムが得意なんだ」と決めてしまう方が多いのですが、少し違います。

こうした方の多くは、5秒〜3分ほどのインターバルを定期的に行っていないため、ゾーン6〜7の刺激が足りていない状態です。スプリントやダンシングのやり方が分からない、という理由もあります。3か月ほど各ゾーンをバランスよく練習してからもう一度比べてみると、「実はスプリントが得意だった」というように、MMPの形が変わることもあります。

おすすめの使い方|過去の自分と比べる

ダッシュボードにパワープロフィールを2つ並べて、片方の期間を「Custom Date」で過去の同じ時期にすると、去年の今ごろと今の体力を比べられます。

パワープロフィールを2つ並べた画面
Custom Dateで期間を選ぶ画面
過去の同じ時期とパワープロフィールを比べた画面

こうして比べると、練習が正しくできていたか、狙っているレースに向けてどれだけ理想に近づいているかが分かります。

苦手な能力(A)を伸ばすことも大切ですが、得意な能力(B)を落とさずに伸ばせているかも確認しましょう。Aを練習したらBが落ちた、ではなく、Aを伸ばしながらBも保てるように練習の計画を立てていくことが大切です。

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ヨーロッパでは基準が違う?

2019年にイギリスへ行ったとき、あるチームのコーチはピークパワー・3分・12分のMMPを基準にして、ゾーン6〜7はピークパワーから、ゾーン5は3分から、ゾーン4以下は12分のMMPから練習の強度を決めていました。気になって調べてみると、イタリアやスペイン、オーストラリアなどでも、似た指標で練習を組んでいることに驚きました。

研究の面でも、FTPのように1回のテストだけで決めるのではなく、長さの違う複数の全力走から、パワーと持続時間の関係(クリティカルパワーなど)を求める方法がすすめられています(Leo et al., 2022)。3分間の全力走の最後のパワーが、クリティカルパワーとほぼ一致したという研究もあります(Vanhatalo et al., 2007)。同じパワートレーニングでも、アメリカ式とヨーロッパ式では少し考え方が違うと言えます。

よくある質問

Q. パワープロフィールとは何ですか?

5秒・1分・5分・20分など、時間ごとの自己ベストの平均パワー(MMP:Mean Maximal Power)を並べたものです。どの時間のパワーが高いかで、スプリントが得意か、登りやタイムトライアルが得意かといった脚質や、伸ばすべき能力が分かります。

Q. Training Peaksの無料版でもパワープロフィールは見られますか?

パワープロフィールなどのダッシュボードのグラフは、有料のPremiumで使える機能です。14日間の無料体験で試すこともできます。

Q. 5分や20分のパワーがいちばん高いのはヒルクライム向きということですか?

そうとは限りません。パワートレーニングを始めたばかりの方は、短い高強度の練習が足りず、5分や20分が高く出ることがほとんどです。各ゾーンをバランスよく3か月ほど練習してから、もう一度比べてみましょう。

Q. パワープロフィールはどう活用すればいいですか?

ダッシュボードにパワープロフィールを2つ並べ、片方を過去の同じ時期にして比べるのがおすすめです。苦手な能力が伸びているか、得意な能力を落とさずに保てているかを確認できます。

まとめ

パワープロフィールのまとめ
  • 時間ごとの自己ベスト(MMP)を並べたもの:5秒・1分・5分・20分などで見る
  • 脚質の目安になる:ただし始めたばかりの方は5分・20分が高く出やすい
  • 過去の同じ時期と比べる:Custom Dateで2つ並べて確認する
  • 苦手を伸ばし、得意も保つ:バランスよく練習を組む

パワープロフィールは、練習の成果を確かめるだけでなく、次に何を練習すべきかを決めるヒントになります。FTPやほかの用語はパワートレーニングの用語一覧で解説しています。

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参考文献
  • Quod MJ, et al. The power profile predicts road cycling MMP. Int J Sports Med. 2010;31(6):397-401. doi:10.1055/s-0030-1247528
  • Pinot J, Grappe F. The record power profile to assess performance in elite cyclists. Int J Sports Med. 2011;32(11):839-44. doi:10.1055/s-0031-1279773
  • Leo P, et al. Power profiling and the power-duration relationship in cycling: a narrative review. Eur J Appl Physiol. 2022;122(2):301-316. doi:10.1007/s00421-021-04833-y
  • Vanhatalo A, Doust JH, Burnley M. Determination of critical power using a 3-min all-out cycling test. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(3):548-55. doi:10.1249/mss.0b013e31802dd3e6
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この記事を書いた人

伊藤 透のアバター 伊藤 透 ORCA CYCLING SCHOOL ヘッドコーチ

ORCA CYCLING SCHOOL ヘッドコーチ。日本スポーツ協会公認 自転車コーチ レベル3、健康運動指導士・健康運動実践指導者、NSCA認定パーソナルトレーナー。指導歴約16年。

ジュニアからトップ選手まで指導し、全日本自転車競技選手権大会ロードレース優勝、全日本学生選手権個人ロードレース大会優勝などの指導実績があります。

名古屋・久屋大通で、動作評価とidmatchクリートフィッティングによるロードバイクフィッティングを行い、膝や腰の痛みの改善とパフォーマンス向上をサポートしています。

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